研究概要 |
1.研究目的 惑星状星雲の形態は、種々変化に富んでいるいることが、HSTにより詳細に示された。これに応じた電離ガスの内部運動を解析することが本研究課題の目的である。日指すべき研究のゴールは、中小質量星である漸近巨星枝(AGB)星からの質量放出機構を解明することである。 2.平成13年度の研究実績 (1)一つのケース・スタディとして行っていた、高銀緯ヘリウム欠乏惑星状星雲H4-1についての解析が終了した。双極流速度場をもつことがわかった。この結果を論文としてまとめ、Publ.Astr.Soc.Pacificに投稿Lた。また、IAU Symp.No,209 Planetary Nebulaeで報告した。外国旅費は。このために用いられた。 (2)惑星状星雲の内部運動中これまでに知られていない、数100km/secに及ぶ高速度流が存在することを明らかににした。この結果は上記シンポジウムで報告されたが、同様の結果示した外国の研究グループがあった。論文として公表すべく準備中である。 ° (3)惑星状星雲の膨張速度に関する統計的研究をはじめた。中心星からの恒星風、上記の高速度流等との関連、および形態との関連を調べている。このため、計算機ソフトを購入し、この目的のために用いている。 (4)関連する共生星周囲の電離ガスについて考察し、AX Perの場合について論文を発表した。 (5)本研究課題の目的のため、新たな観測が岡山天体物理観測所で行われ、惑星状星雲IC2149ではイオンの重層構造を伴う内部運動の解析が必要となる資料が得られた。共生星ではZ Andの活動期における各種輝線の時間変動が得られ、スロバキアとの共同研究による測光観測の結果を得て、これとの関連での高分散分光解析をはじめた。
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