この1年間で、データ解析方法の確立、高精度位置天文観測衛星によるサイエンス、及び衛星計画の第一歩を踏み出すことができた。具体的には、 1.データ解析方法の確立 実際にヒッパルコス衛星によって得られたデータ等を用いて、観測値から統計的に物理情報を導出する解析方法の問題点を実際に明らかにし、位置天文衛星DIVAによる高精度データが得られた際の解析に生かせるようにした。DIVAの観測精度では依然バイアスの問題は解消されず、統計的データ処理が不可欠である。具体的には、観測データに紛れ込んでいるバイアスを完全に取り除くこと、そして、独立したいくつかの手法の比較を行なった。また、DIVAのサイエンスチームとともに、どの星を、どのくらいの精度で観測する必要性があるかを議論し、観測すべき星のターゲットを絞り込んでいった。 2.衛星用の光赤外干渉計の検討 達成したいサイエンスの目標を実現するために必要な光赤外干渉計や衛星計画の検討を行なった。つまり、日本での独自性を打ち出すことを含めて、どのような干渉計、観測装置の開発が必要であるか、また、技術的に開発すべき問題点などを検討していった。
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