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2002 年度 実績報告書

種々の宇宙論的観測に対する重力レンズ効果と、それを用いた宇宙論的パラメータの決定

研究課題

研究課題/領域番号 12640249
研究機関東北大学

研究代表者

二間瀬 敏史  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20209141)

キーワード重力レンズ / ダークマター / 宇宙マイクロ波背景輻射 / ミンコフスキー汎関数 / lognormal分布 / クインテセンス
研究概要

「すばる望遠鏡」への一般プロポーザルで採択され観測をおこなった銀河団について弱い重力レンズによるweak shear fieldの解析を行い銀河団に付随するダークマターの分布を調べた。その結果、銀河団を取り囲むようにダークマターが存在すること、および銀河団と同定されていない領域にもダークマターが存在する可能性を示唆した。このような銀河団に付随しないダークマターの存在を確かめるために、宇宙マイクロ波背景輻射の重力散乱を利用する方法を提案した。
またshear fieldからつくられた質量面密度分布のトポロジーをミンコフスキー汎関数と呼ばれる方法で調べた。その結果、銀河団領域で面密度分布の揺らぎに有意な非ガウス的振る舞いが現れることを示した。さらにshear fieldによって面密度分布の非線形領域での揺らぎを解析的に扱うためにlognormal分布を用いることを提案し、数値計算によって現実の分布をよく再現することを確かめた。
「すばる望遠鏡」で宇宙定数の決定のための重力レンズ系の観測をおこない、宇宙定数がゼロの宇宙モデルは観測結果をほとんど再現しないことを発見した。また理論的に強い重力レンズの観測から、クインテセンスと呼ばれる時間依存性をもつ暗黒エネルギーの状態方程式についても制限が与えられることを指摘した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Sato, K.Umetsu, T.Futamase: "The topology of a Weak Lensing Field in the Neighborhood of MS1054-03"Astrophysical Journal. 582. L67-L71 (2003)

  • [文献書誌] T.Futamase: "Observations of dark side of the universe by gravitational Lensing"International Journal of Modern Physics A. 17. 2677-2687 (2002)

  • [文献書誌] O.Aso, M.Hattori, T.Futamase: "The gravitational scattering of the cosmic microwave background by dark clusters of galaxies"Astrophysical Journal Letter. 576. L5-L7 (2002)

  • [文献書誌] Y.Ohyama, T.Hamana, N.Kashikawa, M.Chiba, T.Futamase: "Subaru Spectroscopy of Gravitational Lens HST 14176+5226"Astrophysical Journal. 123. 2903-2911 (2002)

  • [文献書誌] A.Taruya, M, Takeda, T.Hamana, I.Kayo, T.Futamase: "Lognormal Property of Weak Lensing Field"Astrophysical Journal. 571. 638-643 (2002)

  • [文献書誌] S.Yoshida, T.Futamase: "r-mode instability of slowly rotating relativistic stars"Physical Review D. 64. 123001-1-123001-7 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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