研究概要 |
以下、リストした論文の順序に成果を書く。 超重力の極大対称解であるAdS5^*S5背景場でのstring,D-brane作用の議論を、SL(2,Z)共変性と結びつけることを目指した,,AdS背景場で余分なfermionic自由度と生成子を導入して、どのように代数が拡張されWZ作用がCEcohomologyの元として得られるかを議論した。 定数計量と定数の反対称場を背景場とするD-brane作用のT-双対性を議論した。DpとD(p-1)brane作用がT-双対変換で移り変わること,同時にkappa対称性、超対称性も正しく対応付けられることを示した。 上の様な背景場は、Seiberg Wittenによる「可換対非可換等価性」の議論があって興味深い。非可換理論は本質的に非局所的になる。これを動機に非局所的Lagrangianの共変形式を整備したのが次の論文である。 最後の2編は繰り込み群についての仕事。braneを介在して弦理論とゲージ理論には深い関係が見つかっている。特にAdS/CFT対応として知られる著しい関係があり、最近ではゲージ論の繰り込み群をバルクの重力理論の立場から理解できる様になった。我々の繰り込み群に関連する仕事では、一般に運動量積分に導入された切断によって壊されてしまう理論の対称性について議論した。Wilson流の場の理論の定義において、赤外切断によって一見破れてしまったが、形を変えながら残っていることを確認した。また、その様な有効対称性が良く見える理論の定式化をした。
|