ブラックホール摂動論に基づく重力波の研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12640269
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 佐々木 節 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70162386)
• 研究分担者: 田越 秀行 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30311765)
• キーワード: ブラックホール / 重力波 / コンパクト連星 / ポストニュートン展開 / 自己重力の反作用

研究概要

巨大ブラックホールとコンパクト星の連星系の軌道進化を明らかにする上で重要となる,コンパクト星に対する重力波輻射の反作用力を求める方法を提案し,それに基づいてポストニュートン展開の1次(1PN)での自己重力反作用項をブラックホール摂動論を用いて導出した.その過程で,我々の方法は自己重力の発散項を系統的に取り除くには,有効であるが,重力固有のゲージ問題を解決しなければ,最終的に物理的な答えに到達し得ないことが,明らかになった.現在ゲージ問題の解決に向けて研究を進めでいる.
また,連星がスピンを持っている場合の効果については,連星の運動方程式をポストニュートン近似の2.5次のオーダーまで導出する研究を完成させた.

研究成果

• [文献書誌] Hideyuki TAGOSHI: "First search for gravitational waves from inspiraling compact binaries using TAMA300 data"Physical Review D. 63. 062001-1-062001-5 (2001)
• [文献書誌] Hiroyuki NAKANO: "The Gravitational Reaction Force on a Particle in the Schwarzschild Background"Progress of Theoretical Physics. 105. 197-218 (2001)
• [文献書誌] Hideyuki TAGOSHI: "Gravitational field and equations of motion of spinning compact binaries to 2.5 post-Newtonian order"Physical Review D. 63. 044006-1-044006-14 (2001)