研究課題/領域番号 |
12640271
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
味村 周平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10273575)
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研究分担者 |
阪口 篤志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70205730)
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
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キーワード | ストレンジネス / 弱相互作用 / トリガー検出器 / 電荷弁別 |
研究概要 |
本研究では、大阪大学核物理センターで行うpn-(3E)16pΛ反応測定実験で用いるトリガー検出器系の開発を行う。Λ粒子の崩壊で放出される負電荷π中間子がこの反応の信号となる。そのため、負電荷π中間子を効率良く検出し、バックグラウンドである陽子など正電荷を持つ粒子をトリガー段階で除去する工夫が必要である。多線検出器をはさんで内側検出器と外側検出器を設置し、内側と外側の同時計測によりトリガー効率をあげる。内側検出器は細分割されたプラスチック検出器で構成され、波長変換剤入り光ファイバー(WLS-fiber)により読み出される。外側検出器は、動径方向から傾けたプラスチック検出器を多数セグメント用意し、磁場中の曲がりによって、正電荷に対して不感になるよう設計されている。 本年度は外側検出器に新たなアイデアを持ち込んだ。平成12年度の設計では全てのプラスチック検出器を磁場中に置かれた高磁界用光電子増倍管で読み出していたが、内側検出器で成功したWLS-fiberを用いた読みだしを行う。しかし、WLS-fiberを用いた読みだしでは必要な時間分解能・エネルギー分解能が得られないため、従来の読みだしセグメントとWLS-fiberを用いた読みだしセグメントを交互に設置することで全体の性能を落さず低コストで立体角を大きくする。平成13年12月、平成14年2月にこの設計を基にテスト実験を行った。初段階の実験データ解析により、既に負電荷π中間子を正電荷粒子に比べ高効率で選択できていることを確認している。定量的な解析は現在も進んでおり、平成14年3月に開催される物理学会で発表する。早急に結果の取りまとめを行い論文発表を行う。
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