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2003 年度 実績報告書

タウ粒子の崩壊過程におけるCP非保存現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12640277
研究機関奈良女子大学

研究代表者

林井 久樹  奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50180980)

研究分担者 宮林 謙吉  奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40273833)
キーワードタウ粒子 / ミューオン異常磁気能率 / レプトン / CP非保存 / レプトンフレーバー保存 / 超対称粒子 / 国際交流
研究概要

高エネルギー加速器機構の電子・陽電子衝突型加速器(KEKB)は現在10x10**34/cm^2/secという世界でもっとも高いビーム強度を誇っている。この加速器では、e^+e^【surface chemistry arrow】τ^++τ^-反応によって多量のタウ・レプトン対が生成される。本研究は、本加速器の衝突点に設置した測定器(Belle測定器)を用いて収集したタウ・レプトンをもちいて、タウ・レプトンに関する詳細な研究を行なうことを目的としている。2004年3月までに、150/fbのデータが収集され、これは、1.5x10^8個のタウ・レプトンペアーに相当する。
このような多量のタウ粒子を用いて、これまでに進めてきた研究としては、1)τ->ππν崩壊過程におけるCP非保存現象の探索、2)レプトン・フレーバーの保存則を破る崩壊モードの探索、3)τ->ππν崩壊における2πスペクトル関数の測定、等をあげることができる。1)に関して研究発表のリストの2番目にて雑誌に報告済みである。また、2)に関してはτ->μγ、μη、μμμ、μee,等の崩壊モードを探索し、Br<(1-2)x10^-7という上限値を得ている。この値は従来の上限値を約一桁更新しており、さまざまな標準理論;超対称性理論や重い右巻きのニュートリノを含めた理論により強い制限を与える結果となっている。これまでに、会議録として2編が発表済みであり、現在3編を学術雑誌に投稿中である。
3)で示した2π系のスペクトラル関数は、ミュー粒子の異常磁気能率(g-2)の理論予測の精度を向上させる上での重要な測定量として近年その精密測定が非常に注目されている測定である。本研究では、ここ3年の渡ってこのタウ粒子の2π崩壊過程における2π系の質量分布の精密測定を課題とした研究を進めてきた。その精密測定のためにはBelle測定器の詳しい特性を理解することが非常に重要である。そのため、中性π中間子の検出効率、トリガー効率、バックグラウンドの評価とその評価の信頼性等に関する詳しい研究を進めてきた。途中結果は会議録(5番目)に発表済みである。今後、最終結果を本論文にまとめ学術雑誌に投稿する予定にしており、現在その作業をすすめているところである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 居波他, Belleグループ: "Search for the electro dipole moments of the tau lepton"Physics Letters. B551. 16-26 (2003)

  • [文献書誌] 林井他, Belleグループ: "Search for CP violation in the tau semi-leptonic decay tau->pipi0nu"Nucl.Phys.Proceeding Suppl.. 98. 141-147 (2001)

  • [文献書誌] 居波他, Belleグループ: "Search for tau->mu gamma decay at Belle"Nucl.Phys.Proceeding Suppl.. 123. 74-81 (2003)

  • [文献書誌] 遊佐他, Belleグループ: "Search for neutrinoless tau decays tau->31 and tau->1Ks"Nucl.Phys.Proceeding Suppl.. 123. 95-101 (2003)

  • [文献書誌] 林井他, Belleグループ: "Measurement of the spectral function in the decay tau->pipi0nu"Nucl.Phys.Proceeding Suppi.. 131C. 134-142 (2004)

  • [文献書誌] 居波他, Belleグループ: "An upper bound on the decay tau->mu gamma from Belle"Physics.Review.Letters. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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