研究課題/領域番号 |
12640278
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩田 洋世 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20168579)
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研究分担者 |
両角 卓也 広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20253049)
大杉 節 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30033898)
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キーワード | ヒグス / ヒグス粒子 / バーテクス標識法 / バーテクス検出器 / SVXII / CDF / 高エネルギー物理学 / 衝突型加速器物理学 |
研究概要 |
標準模型では電磁相互作用と弱い相互作用を統一して記述するためにヒグス場の存在が前提となっており、ヒグス場に伴うヒグス粒子が予言されている。ヒグス粒子の探索に於いてはバーテクス標識法が最も有望な方法の一つである。我々は、未だかつておこなわれたことのない、τ粒子の崩壊点を観測するτバーテクス標識法の開発を始めた。 高性能のシリコン・マイクロストリップ検出器(シリコン検出器用チップと読み出しチップより構成)を2枚組み合わせてラダーとし、それをテレスコープ状に並べてバーテクス検出器の一部に相当する検出器模型を作った。来年度引き続いて、τバーテクス標識法に最適化したバーテクス検出器の開発に向けてこの模型の特性を測定する。 イベントジェネレータPYTHIAを導入し、ヒグス粒子の生成、崩壊の事象のシミュレーションを行った。ところが、我々の研究にとって重要なτ粒子の扱いがPYTHIAでは不完全なことが判明した。この問題点を解決するためにタウオラと称するソフトウエアでτ粒子の偏極を計算しようとしている所である。 平成12年秋、欧州原子核研究機構でヒグス粒子の信号らしきものを観測との発表がセンセーションを巻き起こしたものの、真偽を確認しないままに実験は終了した。これを受けて急遽我々は、広島大学においてシミュレーションを行い、米国フェルミ研究所のCDF検出器でヒグス粒子の発見が可能であるという結論を得た。フェルミ研究所では加速器と検出器の大改造を終えて平成13年3月から実験開始となる。本研究は重大な意義を持つ。 改造前のCDF検出器の測定によりヒグス粒子の下限を示した。研究発表の欄参照。
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