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2002 年度 実績報告書

中重核領域におけるα-核間相互作用とクラスター構造

研究課題

研究課題/領域番号 12640288
研究機関高知女子大学

研究代表者

大久保 茂男  高知女子大学, 生活科学部, 教授 (30105366)

キーワードクラスター / 分子的構造 / ^<32>S / ^<16>O+^<16>O / 超変形 / 虹散乱 / 重イオン間ポテンシャル
研究概要

原子核のクラスター構造については、^<16>O,^<20>Ne,^<40>Ca,^<44>Tiなどの典型的な核においてきれいな回転バンドが存在し、αクラスター描像が確立している。一方、重いクラスターの存在についてはα+αの類似系である^<16>O+^<16>0において^<16>Oクラスターの存在が期待され実験的・理論的に多くの研究がなされてきた。しかし、^<16>O+^<16>Oクラスター構造が本当に存在するのか、するとすればどんなバンド構造をとるのかは多くの微視的模型・現象論的模型研究にもかかわらず解けなくて30年以上にわたる難問として未解決のまま残されてきた。
我々は虹散乱の統一的理解をめざす研究を通じて^<16>O+^<16>O散乱を広いエネルギー範囲にわたって説明することに成功した。これらの研究から^<32>Sの^<16>O+^<16>Oクラスター構造について束縛状態をふくめ次の新たな結論を得,長年の難問に決着をつける事ができた。
(1)^<32>Sには3個の^<16>O+^<16>Oクラスターバンドが存在する。N=24の一番低いバンドは非制限Hartree-Fock計算で出てくる超変形状態に対応する。超変形はクラスター構造にもとづくものであるある事が明らかになった。
(2)N=26の相対運動の励起した状態が存在し、実験的には見つかってないので探索する事。
(3)従来、多くの^<16>O+^<16>O散乱あるいは反応で見つかっている分子共鳴はN=28のバンドに属するものである。実際、各スピンの重心をとるとこのバンド上によくのる。これらがたくさん見つかっているのはfragmentしたものであると考えられる。
長年の難問に理論的に解決する方向が示され、重いクラスター研究の新たな地平が開かれた。また、超変形とクラスター構造を結び付ける新たな研究方向がきり開かれた。詳しくは次の論文を参照。
S.Ohkubo and K. Yamashita, Physical. Review. C66, 021301(R) (2002).

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] F.Michel: "Interpretation of Airy minima in ^<16>O+^<16>O and ^<16>O+ ^<12>C elastic scattering in terms of a barrier-wave/internal wave decomposition"Physics of Atomic Nuclei. 65,No.4. 674-677 (2002)

  • [文献書誌] Y.Hirabayashi: "Alpha scattering from nonclosed shell nucleus ^<12>C and alpha-nucleus interaction"Physics of Atomic Nuclei. 65,No.4. 683-688 (2002)

  • [文献書誌] T.Sakuda: "Cluster structure of ^<48>Cr"Physics of Atomic Nuclei. 65,No.4. 703-706 (2002)

  • [文献書誌] S.Ohkubo: "Evidence for ^<16>O+^<16>O Cluster bands in ^<32>S"Physical Review C. 65,No.2. 0121301-1-0121301-4 (2002)

  • [文献書誌] F.Michel: "Luneburg lens approach to nuclear rainbow scattering"Physical Review Letters. 89,No.15. 152701-1-152701-4 (2002)

  • [文献書誌] T.Sakuda: "Cluster structure and collective behavior of ^<48>Cr"Nuclear Physics. A712,No.1. 59-71 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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