研究概要 |
昨年筆者らは重い^6Oクラスターがαクラスターと同様に存在することを虹散乱の視点から典型核^<16>O+^<16>Oにおいて示した(文献1)。この研究は^<32>Sにおける^<16>O+^<16>Oクラスター構造をめぐる30年来の難問に決着をつけるものとして多くの注目をあびた。今期の主な研究成果は以下の通りである。 1)^<16>Oクラスター構造が^<32>S以外でも存在する普遍的をもつかを明らかにするため^<28>Siが研究され、^<16>O+^<12>Cクラスター構造が^<28>Siにおいて存在し、パリティー二重項を構成することが示された(文献2)。 2)超変形とクラスター構造の関係については多くの研究者によって関心がもたれていたが、具体的な関係は不明であった。^<32>Sにおける^<16>O+^<16>Oクラスター構造の解明はこのことを可能にした。典型核^<32>Sにおける超変形はN=24の^<16>O+^<16>Oクラスターバンドに他ならないことが明らかにされた(文献3)。超変形と^<28>Siにおける^<16>O+^<12>Cクラスター構造の関係が文献2で論じられた。 3)^<12>C+^<12>C散乱におけるエアリー構造が内部波・外部波の視点から詳細に分析され、そのメカニズムが明らかにされた(文献4)。 1)S.Ohkubo and K.Yamashita, Phys.Rev.C66,021301(R)(2002). 2)S.Ohkubo and K.Yamashita, Phys.Lett.B578,304(2004). 3)S.Ohkubo, Proceedings of the Symposium on Nuclear Clusters(2003,EP systema, Debrechen)eds. R.Jolos and W.Scheid p.161-162;Nucl.Phys.A722,414c(2003). 4)F.Michel and S.Ohkubo, Eur.Phys.J.A19,333(2004).
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