1 活動銀河PKS2155-489及びPKS2005-304の観測及び解析:CANGAROO-II 10メートル望遠鏡で、PKS2155-304とPKS2005-489をそれぞれ観測した。解析に用いたオンソースの有効観測時間はそれぞれ18時間と17時間で、いずれも有意な超過事象は観測されず、1.2×10^<-11>cm^<-2>sec^<-1>(>400GeV)と6.4×10^<-12>cm^<-2>sec^<-1>(>450GeV)という上限値を得た。また、X線天文衛星RXTEを中心とする多波長観測キャンペーンにも延べ20日間参加した。2001年度には、PKS2155-304をさらに11時間観測しており、目下解析中である。 2 活動銀河Mrk421の観測と解析:活動期のMrk421を大天頂角度法で観測し35TeVまでエネルギースペクトルが伸びていることを確認した。予想される赤外吸収によるカットオフが見られず、活動期にはエネルギーが高エネルギー側に相当伸びていることが示唆される。 3 超高エネルギーガンマ線の光学的深さの計算:現在得られている赤外背景放射密度の観測から得られたリミットを用いて、上記の活動銀河核までの超高エネルギーガンマ線の光学的深さを計算した。これらを用いて観測で得られたフラックス上限値から、ソースでのエネルギースペクトルの上限値を求めた。 4 パターントリガーモジュールの開発:計算機シミュレーションにより、エネルギー閾値を下げるためのクラスタリングトリガーの有効性が確認できたので、それを実現するトリガーモジュール基板の開発に力を入れた。、ロジックの変更が容易なCPLDを採用し、シミュレーションと評価版ボードによるテストの結果、トリガー信号の出力までに要する時間が30nsec以下で、チャンネル毎のばらつきが15nsec以下のチップとしてアルテラ社のEPF10K130EQC240-1を選んだ。現在実装されたボードのテスト中である。
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