研究概要 |
入射エネルギー350MeVと500MeVの^<12>C,^<40>Ca(p,n)反応の微分断面積と偏極移行係数の実験値を、DWIAと連続RPA法を用いて解析した。350MeV最新データは3つの角度で与えられ移行運動量依存性までも調べることができた。 従来PWIAとN_<eff>法を用いてスピン・アイソスピン応答関数が求められていたが、その妥当性をDWIAとの比較において検討した。^<40>Caのように重い核でRPA相関があるときPWIA+N_<eff>法は信頼できる解析とはならないことを示した。 連続RPA計算においては、ランダウ・ミグダル・パラメータg'NN,g'N_Δと有効質量m^*を調節して、縦スピン断面積ID_qを再現するようにした。大阪大学核物理研究センターの最新のデータを用いると、幅広い運動量領域にわたりg'_<NN>≒0.6-0.7,g'N_Δ≒0.3-0.4,m^*≒(0.6-0.7)mを得た。これはガモフ・テラー遷移の和則に対する最新のデータとなど、他の理論、実験から得られている値とコンシステントである。しかし、残された問題点は横スピン断面積ID_pは過小評価になってしまっていることである。
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