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2002 年度 実績報告書

フェルミオン質量と世代構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12640295
研究機関愛知大学

研究代表者

坂東 昌子  愛知大学, 法学部, 教授 (20025365)

キーワードフェルミオン質量 / アノマラスU(1) / E_6ゲージ群 / 統一ゲージ群 / ニュートリノ / 南部-ゴールドストン粒子 / ヒッグス粒子 / triplet-doublet問題
研究概要

今年度もクォークとレプトンの質量行列が示す世代の階層的構造と世代の起源に焦点をおいて研究を進めた。今年度は最終年度であり、また、ニュートリノ振動がスーパーカミオカンデからカムランドに至るわが国の実験で、大気・太陽ともに大きな混合角であることが確立した年でもあった。理論的には、クォークとレプトンの間の統一ゲージ対称性が示唆する相似的な側面と、世代間をつなぐヒッグス粒子の相互作用が示す世代構造の相違との統一的理解を進めることができた。
(1)まず、世代構造が単なる繰り返しでないこと、つまり「twisting family structure」が必要なこと、そしてそれを可能にする統一模型としてE_6模型が自然であることを示した。同時に世代間の階層性を実現する世代量子数として、弦理論が示唆するアノマラスU(1)が有望であることを指摘してきた。このアノマラスU(1)の構造を用いて、従来未知だったヒッグスポテンシャルが予言すべき対称性の破れのスケールを、アノマラスU(1)によって説明することが示せた。
(2)さらに、ここまでくると統一模型の基本的な問題点にアプローチする必要性を痛感し、本年度は統一ゲージ理論の最大の問題点である2-3分離(triplet-doublet splitting)問題に挑戦し、ヒッグス粒子を「対称性の破れに伴う南部-ゴールドストン粒子」として定式化し、実際に、E6理論にもとづいて現実的な模型を構築することに成功した。
(3)また、この際、もう一つの統一ケージ理論の難関、陽子崩壊が近い将来見つかるであろうことを予想してこの問題の解析にも挑んだ。そしてこのテーマを中心にした研究会をも組織した。
(4)さらにニュートリノ」bi-large mixingの重要性に着目して、アップタイプの対称性を導入してアップクォークの質量だけを用いて、ニュートリノ質量と混合を予言出来ることを小原みどり氏との共同研究で示した(新潟研究会ならびにNOON国際ワークショップで発表、現在投稿中)。
以上、基盤研究の資金をフルに使って、多様な交流を通じてより広い視野にたって仕事ができたことは、私立大学での孤立した研究者にとって大変な支援であったことを付け加えておきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masako Bando, Taichiro Kugo: "Higgs Doublets as Pseudo Nambu-Goldstone Bosons in Supersymmetric E_6 Unification"Progress of Theoretical Physics. 109. 87-101 (2003)

  • [文献書誌] Masako Bando, Nobuhiro Maekawa: "E_6 Unification with Bi-Large Neutrino Mixing"Progress of Theoretical Physics. 106. 1255-1274 (2002)

  • [文献書誌] 坂東昌子, 佐藤丈: "ニュートリノの偏見を打ち破った科学者達"パリティ. 17/12. (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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