研究課題/領域番号 |
12640301
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
田中 真伸 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (00222117)
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研究分担者 |
山田 善一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00200759)
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キーワード | マルチアノード光電子増倍管 / シンチレーションファイバー / 半導体検出器 / 飛跡検出器 / 知的処理 / FLEX基板 / B中間子 / ニュートリノ |
研究概要 |
研究の目的:多チャンネル高位置精度飛跡検出器(CMOSピクセル検出器、シンチレーションファイバー検出器)に知的処理機能を持たせるため、計算機シミュレーション及び実用化に必要なエレクトロニクスの要素開発を行う。これは将来にわたって測定の分野すべてにおいて必要となる技術である。よって我々はこの研究において我々の要求仕様を明らかにし、企業との共同研究へ発展させる準備を行う。当初の目的はK中間子、B中間子などの不安定な素粒子を使用した精密実験への応用を考えていたが、将来のユーザーの裾野を広げるため、ニュートリノ実験、医療への応用についても13年度から考えていくこととした。 具体的応用として以下の要素について検討し、製作を行った。 1、64チャンネルマルチアノード光電子増倍管の読み出しエレクトロニクス これはシンチレーションファイバーを使用した飛跡検出システムおよび検出器中での反応同定システムとして広範囲に他のユーザーからの要求を聞き仕様を策定した。またこの技術開発中にシステムのダウンサイジングの観点から安価なFLEX基板製作可能ないくつかの会社の技術力を評価した。これにより要素実装技術の基礎となる部分は確立された。 2、半導体検出器の読み出しシステムとトリガー情報の処理 これは読み出しシステムの製作と検出器から得られる高速デジタル情報の処理を行うためのFPGAを主とした9UVMEボードの開発を行った。これによりどのような情報処理が有効であるか実際に評価できるようになった。また次の段階に移れるようにフロントエンドでのデータ処理、及び検出器とエレクトロニクスの無理のない統合についてIC製作会社との議論を進めている。しかしながら歩留まり、金額、プロセスの選択について合意に至っておらず、更なる議論が必要である。
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