研究概要 |
平成13年度の研究概要は次の通りである。 1.試料の作製:正極材料として、LiCoO_2,LiNiO_2の各種のLi濃度の粉末試料を合成し、X線解析によりキャラクタリゼーションを行なった。あらたに、LiV_2O_5の粉末試料について提供(インド、ブハラチア大学)を受け、また、負極材料として、LiGa試料(44%Li濃度)の提供(法政大学、青森大学グループ)およびカーボン試料の提供(松下電池工業)を受け、測定試料とした。 2.測定:正極材料LiCoO_2,LiNiO_2,およびLiV_2O_5に対して、^7Li核のスピン-格子緩和時間T_1と線幅ΔHの温度依存性を測定し、LiV_2O_5についてはMAS-NMRにより、ケミカルシフトを測定した。また、LiCoO_2,LiNiO_2について電気伝導度の温度依存性を4端子法により測定した。負極材料のβ-LiGa(44%Li濃度)について、^7Li,^<71>GaのNMR測定をで77K〜500Kの領域で行なった。 3.結果と考察 (1)LiCoO_2,LiNiO_2のNMRおよび電気伝導度のデータをまとめ、LiNiO_2のLiCoO_2に対する代替性を考察して国内3件の報告と国際会議(オーストラリア)での1件の報告、公表を行った。 (2)LiCuO_2の昨年度のNMRデータを解析し、正極材料としての可能性を考察した。関連の論文1報の公表と1件の報告を行った。 (3)β-LiGaのNMR測定データをまとめ、Li^+イオン欠陥の秩序・無秩序変態が起きていることを確認し、また、無秩序相での拡散の活性化エネルギーを評価して負極材料としての性能を議論した。関連する3報の論文を公表し、6件の報告を行った。 (4)カーボン試料のフォノンエコー検出を試みたが、観測することができなかった。
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