研究課題/領域番号 |
12640319
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
赤井 一郎 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20212392)
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研究分担者 |
唐沢 力 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90106336)
小松 晃雄 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047134)
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キーワード | 半導体ナノ構造 / 励起子 / 高密度励起 / 多体効果 / 光励起状態のダイナミクス / 非線形光学効果 / 物性物理学 |
研究概要 |
1.ナノ構造中に励起された励起子分子状態の安定化とそのサイズ依存性 ポリマー上に、母体結晶と異なる構造対称性を持った沃化銅ナノ結晶を形成させ、その中に閉じ込められた励起子の量子閉じ込め効果を明らかにした。また、それらを高密度光励起にする事により励起子分子発光を見出し、サイズに依存した励起子分子状態の遷移エネルギー依存性を明かにした。 2.ナノ構造中多数励起子系の励起子間相互作用と、励起子の格子緩和の共存関係 (1)半導体量子細線構造中の多数励起子の多体効果Al_xGa_<1-x>Asによるナノ量子細線構造中に励起子を多数励起して、type-II型バンド構造をもつ量子細線構造で、100meVに及ぶ励起子間の多体効果による大きな発光のブルーシフトを見出した。また、ピコ秒からナノ秒の時間領域で多励起子状態の緩和ダイナミクスについて明かにした。 (2)励起子間相互作用によるサイト充填効果TlIをナノメートルサイズの細孔に埋め込んだポーラスガラス試料において、マトリクスのポーラスガラスからTlIナノ結晶へのエネルギー移動過程の存在と、高密度励起下におけるナノ結晶中多励起子間の斥力相互作用によるサイト充填効果の発現を見出した。 (3)層状半導体ナノ界面励起子の多体効果BiI_3やGaSeなどの層状半導体を光強励起して多数の2次元励起子を生成させ、多励起子状態の異常空間伝播現象や量子状態の可干渉性のマクロな拡がりを見出した。 (4)発光性有機ナノ分子中励起子のダイナミクス発光性有機色素Alq_3の光励起状態のエネルギー構造を明かにし、励起子の格子緩和に伴う複数準位間の緩和ダイナミクスを明らかにした。
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