研究課題/領域番号 |
12640353
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
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研究分担者 |
梅尾 和則 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (10223596)
高畠 敏郎 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40171540)
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キーワード | 低密度キャリア / 硼化物 / 強磁性 / 単結晶 / エキシトニック絶縁体 / 電気抵抗 / バンド計算 / μSR |
研究概要 |
エキシトニック強磁性体機構が出現していると予想され、注目されているCa_<1-x>La_xB_6と同じ電子構造をもつ極低密度キャリア系Yb_<1-x>La_xB_6の結晶作成に取り組み、電気抵抗測定、帯磁率測定、μSR測定から以下の新しい知見を得た。 1。単結晶育成 Ybの蒸気圧は高いにもかかわらずYbB_6の単結晶は4楕円イメージ炉を用い、浮遊帯域溶融法により育成に成功した。さらにLaを置換してCa_<1-x>La_xB_6で強磁性が出現する組成x=0.005-0.006の合金の育成を試みたが、YbB_6結晶内ではLaが縞状に分布し、一様な組成の結晶育成は現在x<0.003までである。今後もより高濃度のLa置換育成条件を探索する。物性測定は焼結体及びx<0.003の単結晶で行った。 2。電気抵抗 CaB_6はCaが抜けないstoichiometricな組成では、その電気抵抗の温度依存性は半導体であった。これにLaを0.1%置換しただけでたちまち金属となる。YbB_6はどのようにYbの組成を変えても電気抵抗は金属的温度依存性を示した。 3。磁化と帯磁率、μSR測定 Ca_<1-x>La_xB_6はx=0.005で最も大きな磁化の増大を示しキュリー点も600-800Kと高い。Yb_<1-x>La_xB_6ではx=0.004-0.006(焼結体)で最も大きな磁化の増大を示すが、帯磁率の温度変化はキュリーワイス常磁性であり、自発磁化はほとんど示さない。x=0.005近辺の磁化の増大は両者に共通なので、強磁性寸前の遍歴電子磁性体であることは間違いない。μSR測定でも両者の合金系の内部磁場はほぼ同じ大きさと温度変化を示した。
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