研究分担者 |
岩本 雄二 姫路工業大学, 理学部, 助手 (80244680)
上田 光一 姫路工業大学, 理学部, 助手 (20203440)
小堀 洋 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (10153660)
松田 和之 姫路工業大学, 理学部, 学術振興会特別研究員
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研究概要 |
本課題での研究対象物質は、(1)CeIn3,CeRhIn5,CeIrIn5,CeCoIn5系と(2)URu2Si2に大別される。(1-1)CeIn3-昨年度に常圧から2.8GPaまででIn NQR信号が1.4Kまでの温度範囲で観測できているので、今回申請分で1K以下の実験に向かって希釈冷凍機(特に混合室と高圧セルとの取り付け等)の改造をおこない、350mKまでの測定が出来た(論文に発表)。100mK,4GPaでの高圧NMRをするために、次年度にさらにセルの改良をしたい。(1-2)CeRhIn5,CeIrIn5,CeCoIn5-CeRhIn5は、1.7GPaで反強磁性が消えて、超伝導が2Kであらわれる。この物質での超伝導は、異方的な超伝導ギャップをもっていることが、核磁気緩和率の温度変化から明らかになった(論文に発表)。またCeIrIn5,CeCoIn5では、前記同様のIn NQRの核磁気緩和率、Coのナイトシフトの温度変化から、この系では、d波超伝導が実現していることがわかった(Phys.Rev.Bに投稿中)。(2)URu2Si2-′85に発見された重い電子系超伝導体URu2Si2は、現在でも磁性・超伝導とも発現機構については未解決である。この物質の物性番特徴づける微弱反強磁性機構については明確でないばかりか、「磁気双極子か電気四極子か」に至るもっとも基本的な「秩序変数」についても十分に理解されていない。最近、加圧によりこの物質の微弱反強磁性状態(飽和磁気モーメント;0.03μB)が著しい変化(磁気モーメントが約10倍増大する)を受けることが発見された。本課題遂行中のごく最近、精密な29SiNMRで"ミクロスケールでの二相(反強磁性、常磁性)競合"という全く新しい重要な知見が得られた(P.R.L.に投稿中)。さらに高圧でNMRをおこなうには、新作の高圧セルを用いても、感度が大幅に落ちる。したがって購入した29Si濃縮試料を用いることでNMR感度をあげて「二相の加圧による変化」を測定したい。
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