研究課題/領域番号 |
12640359
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田島 圭介 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70004439)
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研究分担者 |
若林 信義 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20146575)
下村 晋 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00260216)
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キーワード | 希土類金属 / 磁気相転移 / 磁気相図 / X線回折 / 磁気弾性効果 / 遍歴電子磁性 / 四重極秩序 |
研究概要 |
1)前年度までに行った遍歴電子メタ磁性体であるラーベス相化合物Lu(CoGa)_2系の磁気体積効果に続いて2つの磁性副格子を持つ遍歴電子反強メタ磁性であるFe_2P系について調べた。Fe_2Pにおいては、1次相転移による格子定数の不連続変化は小さいが、Mnを2%だけFeと置き換えるとこの不連続変化は大きくなりヒステリシスを示す。これは、理論的にもFeMnPでは1次相転移が顕著であるという予測と一致している。また、Mnを置換することにより反強磁性相があらわれ、更にこの相においては磁場をかけることで磁化曲線に2段のステップが見られた。このことは、反強磁性が磁場によって2つの相に変化することを示唆している。この磁気構造の変化に対応する結晶格子の変化はまだX線回折で見出されていない。 2)低温で反強四重極、反強磁性秩序を示す希土類化合物DyB_2C_2において、6丁以上の磁場を正方晶結晶のa軸方向にかけると2倍周期にほぼ対応する逆格子位置に反射が現れ、結晶構造相転移を引き起こすことを見出した。この相転移は、しかしながら、高温の無秩序状態においても起こることが判明し、また、TbB_2C_2,GdB_2C_2においても同様な現象が観測された。このことから、この相転移が希土類イオンと関係するものかどうか確かめるためにLaB_2C_2においても確かめたところ、同じ反射が現れた。以上の結果から、この反射は磁気的あるいは四極子の秩序とは関係ないことであると結論される。原因はまだ不明だが、例えば伝導電子の磁場による分極が影響するということもあるかもしれない。
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