研究課題/領域番号 |
12640360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
後藤 貴行 上智大学, 理工学部, 助教授 (90215492)
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研究分担者 |
中島 理 秋田工業高等専門学校, 自然科学系, 助教授 (90261544)
鈴木 栄男 上智大学, 理工学部, 助手 (40327862)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | Spin-gap / NMR / High-Tc cuprate / Quantum spin magnet / Magnetization Plateau |
研究概要 |
本研究の目的は小さなスピンギャップを持つ系を合成し、強磁場によってギャップを潰した状態で、低温において新しい電子状態が出現するかどうかをNMRのナイトシフト及び縦緩和率によって調べることである。タリウム系高温超伝導体および低次元量子スピンラダー磁性体について研究を行い、以下の成果を得た。 1)タリウム系高温超伝導体TlBa_2(Ca_xY_<1-x>)Cu_2O_7 この系は反強磁性相(x=0)からわずかに過剰ドープとなる領域(x=1)まで広い範囲まで合成可能であるため、全領域をシステマティックに調べることができた。その結果、ライトドープ域における常伝導状態で、緩和率にはスピンギャップが出現するが、ナイトシフトの温度依存性は完全に平坦でスピンギャップが全く現れないという異常な結果が得られた。これは他系ではこれまで全く見られなかった現象である。 次に、この物質において長い間疑問であった低濃度域における超伝導転移温度の異常な立ち上がりの原因がキャリヤ濃度の空間不均一であることをNMR縦緩和曲線の振る舞いから明らかにした。 2)低次元量子スピン系NH_4CuCl_3 この系は、磁性を担うCu-3dスピンの結合角がほぼ90度であるため交換相互作用が十数Kと小さく、実験室で発生可能な磁場でスピンギャップを潰すことが出来る。さらに、ゼロ磁場での基底状態が二足梯子でありながら磁気的であることや、磁場印加過程で磁化にプラトーが現れるなどの異常が報告されており、その原因の解明が待たれている。単結晶試料を用いた強磁場NMRによって、スペクトルの同定を行い、プラトーの内外のいずれにおいても、スピン状態はグラス的ではなく、シングレットとトリプレットという離散的な状態をとることを明らかにした。さらに、励起トリプレット(マグノン)は、プラトーの内外のいずれにおいても低温で局在化を示すことを、シフトの温度依存性から明らかにした。
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