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2001 年度 実績報告書

過冷却液体のガラス転移における密度ゆらぎの時間相関と空間相関の同時決定

研究課題

研究課題/領域番号 12640365
研究機関北海道大学

研究代表者

辻見 裕史  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (20113673)

キーワードガラス転移 / 密度ゆらぎ / 構造緩和 / 時空間相関 / スケーリング / パルス誘導光散乱
研究概要

パルス誘導光散乱法を用いて、過冷却液体のガラス転移を決定づける密度ゆらぎの時間相関と空間相関を同時に決定することにより、ガラス転移機構に関わる時空間スケーリングの可能性を追求することが本研究の目的である。パルス誘導光散乱は実時間測定法の1種であるから密度ゆらぎの時間相関を直接捉えることができ、しかも散乱ベクトルqを変えることにより(測定する長さの"物差し"をかえることになる)、密度ゆらぎの空間相関をも得ることができるという長所をもつ。
平成13年度は、ガラス形成物質であるグリセロールを用い、散乱ベクトルqをq_1=3.4×10^4,q_2=8.6×10^3,q_3=8.3×10^2cm^<-1>と次々に変えて密度ゆらぎを測定することに成功した。その結果、密度ゆらぎの緩和時間がガラス転移温度T_g=266Kよりもかなり高い温度T_<max>で最長となり、しかもT_<max>がq依存性を示すことを発見した(q_1,q_2,q_3のときT_<max>はそれぞれ309,305,299K)。この現象は、前年度に行ったD-ソルビトールで発見したものと本質的に同じ現象であり、またD-ソルビトールやグリセロールと異なり分子間水素結合を作りにくいサロールを用いた新たな実験でも同現象を確認した。これら実験結果は密度ゆらぎの空間相関を特徴づける長さのスケールξが存在し、それが温度の低下に伴って長くなるが、T_<max>で測定波長Λ=2π/qと等しくなることで統一的に解釈できる。結局本研究により、ξが物質によらずに普遍的に存在することが明らかとなったと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M. Kobayashi: "Relaxation Dynamics in Glycerol Studied by Im pulsine Stimulated Thermal Scattering"Journal of Non-crystalline solids. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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