• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

複雑液体における自己組織構造の形成と動力学

研究課題

研究課題/領域番号 12640371
研究機関東北大学

研究代表者

川勝 年洋  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)

キーワード高分子濃厚系 / 粘弾性 / 経路積分 / 密度汎関数法 / レプ・テイション / 高分子ブラシ / からみ合い高分子 / 非平衡現象
研究概要

前年度に引き続き、非平衡条件下における高分子の配位を経路積分法を用いて表示する手法を用いた高分子系の密度汎関数理論の拡張を行い、具体的な問題に適用することで、その正当性を確認した。このモデルは、従来、平衡あるいはごく弱い非平衡状態にある高分子不均一系の密度汎関数理論に、一様系でよく定式化されているレプテイション理論を組み合わせることで、強い非平衡条件下にある不均一高分子系の緩和のダイナミクスを記述するモデルでである。
我々のモデルの具体的な適用例として、
1.ステップずり変形を加えられた一様な高分子メルトにおける応力緩和。
2.2枚の平行平板にグラフトされたメルトブラシに定常ずり変形を加えた場合の応力緩和とブラシの変形(粘弾性)。
の2つの問題を定式化し、シミュレーションによってモデルの挙動を調べた。
まず1.の一様な高分子メルトに関する研究では、我々のモデルが、「レプテイション理論」の与える応力緩和の挙動を定量的に正しく再現することが確かめられた。このことは、我々のモデルにおける鎖配位の緩和の動力学の扱いが、一様系において正しいことを示している。次に、2.の高分子ブラシの粘弾性に関しては、ずり変形の印可に伴って、鎖の絡まり合いによる鎖配位の変化とブラシの濃度分布の変化が観測された。この変化は、ミクロな分子モデルを用いたモンテカルロ・シミュレーションの結果によく一致しており、我々のモデルが不均一な高分子系の非線形粘弾性挙動も正しく再現できることが確認されたことになる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] J.- R.Roan: "Model for Phase Transitions in the Solid Phases in Langmuir Monolayers"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・3. 738-742 (2001)

  • [文献書誌] T.Nose: "Effects of A-B Block Copolymer Additives on Interfacial Tension of A/B Polymer Blends near the Critical Temparature"Macromol. Chem. Phys.. 202・9. 1548-1556 (2001)

  • [文献書誌] Y.Sakane: "Effects of Low-Molecular-Weight Additives on Interfacial Tension of Polymer Blends"Polymer. 42. 3883-3891 (2001)

  • [文献書誌] T.Hashimoto: "Nonequilibrium Helical Domain Morphology in Diblock Copolymer Systems"Polymer. 42・20. 8477-8481 (2001)

  • [文献書誌] H.Morita: "Dynamic Density Functional Study on the Structure of Thin Polymer Blend Films with a Free Surface"Macromolecules. 34・25. 8777-8783 (2001)

  • [文献書誌] 川勝 年洋: "ソフトマテリアルの教理"教理科学. 462・12. 54-60 (2001)

  • [文献書誌] 川勝 年洋: "高分子物理の基礎-統計物理的手法を中心に-"サイエンス社. 200 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi