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2001 年度 実績報告書

X線測定による水素原子同位体間でのミュオン移行過程の精密研究

研究課題

研究課題/領域番号 12640398
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

坂元 眞一  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50215646)

キーワードミューオン原子 / エキゾティック原子 / ミューオン移行反応 / 脱励起過程 / ミューオンX線 / Si(Li)X線検出器
研究概要

負ミュオンが水素同位体の混合系に停止した時、軽い同位体のミュオン原子のミュオンは、重い同位体との衝突により移行し、新たなミュオン水素原子を形成する。このミュオン移行反応は主に同じ主量子数の間で起こり、エネルギー凖位の差の小さな励起状態ほど速くなる。ミュオン原子が基底状態に到達する際に放射されるLymanX線を検出する事により、基底状態のミュオン原子の数を測定する手法を確立し、直接測定する実験を開始した。予備実験で得られたX線の時間スペクトルには、dμK_αX線には遅延成分が見られるようだが、dμK_βX線や、pμK_αX線、K_βX線にもそのような成分は見られない。
X線測定の時間分解能を格段と向上させるために、カナダのTRIUMF研究所において、DC状のミュオンビームを用いたミュオン移行反応の実験を行った。カナダへの輸送に問題があったのか、X線検出器の一部のチャネルに高電圧をかけることができず、稼動できたチャンネル数が減少した。さらに、ミューオンビームの強度を上げると、X線検出器での検出頻度が高くなり、パイルアップによる検出効率の減少がみられ、あえてミューオンビームの強度を低くしたまま、データ収集を余儀なくされた。データ解析がほぼ終わり、dμK_αX線には74nseの時定数をもった遅延成分が見られ、一方、dμK_βX線や、pμK_αX線、K_βX線にもそのような成分は見られない。これは、ミュオンがpからdに移行して出来たdμ原子が関連しているようである。特に、dμK_βX線は、他と変わらない時間スペクトルを持っていることから、主量子数n=2の状態が鍵となる。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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