• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

傾圧波のない傾圧大気-低周波変動への新しいアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 12640422
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 久徳  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80112100)

キーワード低周波変動 / 大循環モデル / 傾圧波 / ブロッキング
研究概要

本年度は,CCSR/NIES大気大循環モデル(AGCM)を改造して,「傾圧波のない傾圧大気」モデルを作成した。傾圧波の除去はtime filterを使うこれまでの方法に加えて,傾圧波による熱と運動量輸送を強制的に入れる方法も取り入れた。ただし後者では傾圧波の弱化はほとんど見られない。
これまでは準地衡風モデルでの「傾圧波のない傾圧大気」モデルであったので,気候値等で実測との比較において不十分な点があったが,それが基本的に解消されたと言える。ただしCCSR/NIES・AGCMにおけるT21の解像度では北極の高温バイアスが存在し,それに関連して実測されるような低周波変動が出ないという弱点がある。今後,T42で時間積分を行うこと等でそのあたりの改善を図る予定である。
このモデルを用いた実験を標準実験と比較することにより,以下のようなことが分かった。まず高周波変動(傾圧波)なしにも低周波変動は存在しうる。しかし全体として強度はかなり弱くなる。従って低周波変動に対して高周波変動はかなりの影響を与えていることになる。また低周波変動の強い場所がかなり変わる。地域的には,大西洋域に比較して,太平洋域での弱化が甚だしい。ブロッキングの頻度もそれを反映して,大西洋域での頻度の減少に比べ,太平洋でのそれが大きい。これらは,太平洋域での低周波変動に与える高周波変動の影響の大きさに言及したこれまでの研究結果と調和的である。ただ高周波変動なしにブロッキングが存在しうることが分かったことも重要な結論である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊藤久徳: "大気の低周波変動の力学"研究集会報告「地球流体における波動現象とその力学」. 119-128 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi