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2002 年度 実績報告書

傾圧波のない傾圧大気-低周波変動への新しいアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 12640422
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 久徳  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80112100)

キーワード低周波変動 / 大循環モデル / 傾圧波 / ブロッキング / 北大西洋振動 / 太平洋・北アメリカ振動
研究概要

本年度は,まず昨年度に引き続いて,実測に見られる低周波変動と高周波変動との相互作用のデータ解析を行った。これは来年度に予定しているモデルにおける相互作用の研究の基礎データを得る目的である。用いたデータはNCEP/NCARの再解析データで,1980年から2000年の21年間を使った。データから各カレンダー日の平均をとり,さらに31日の移動平均をとることにより,気候値を得た。そこからの偏差をとり,それに10日のlowpassとhighpass filterで低周波擾乱と高周波擾乱とに分離した。
対流圏の低周波擾乱として,大西洋振動(NAO)と太平洋/北アメリカ振動(PNAO)がよく知られているので,それらと高周波擾乱との相互作用を研究した。ただし最近は北極振動(AO)という概念が提出され,そのほうがNAOやPNAOより基本的なモードであるという議論がある。また低周波変動は成層圏から伝播してきたモードが重要な役割を果たすという研究がある。そこでそのことを同時に研究した。AOは見かけであるという結論を提出していたが,他の研究者からの反論にも関わらず,再度見かけであるという結論をより大きな確度を持って提出した。また成層圏との相互作用においてもPNAの励起から成層圏の関与のもとで対流圏でNAOが生起するというルートを発見した。
またNCCSR/NIES大気大循環モデル(AGCM)を改造した「傾圧波のない傾圧大気」モデルを用いて,低周波変動の励起機構を研究した。結果として以下のようなことを得た。高周波変動(傾圧波)なしにも低周波変動は存在しうる。しかし全体として強度はかなり弱くなる。地域的には,大西洋域に比較して,太平洋域での弱化が甚だしい。ブロッキングの頻度もそれを反映して,大西洋域での頻度の減少に比べ,太平洋でのそれが大きい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hisanori Itoh, K. Harada: "Dynamical coupling between tropospheric and stratospheric leading modes"J. Climate. 16(未定). (2003)

  • [文献書誌] Hisanori Itoh: "Reconsideration of true versus apparent Arctic Oscillation"J. Climate. 16(未定). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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