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2001 年度 実績報告書

温室期と氷室期の比較地層学

研究課題

研究課題/領域番号 12640437
研究機関千葉大学

研究代表者

伊藤 慎  千葉大学, 理学部, 教授 (10201930)

キーワードストーム堆積物 / ハンモック状斜交層理 / 温暖化 / 河川堆積物 / 古河川水文学 / 内陸盆地
研究概要

今年度は、ストーム堆積物を特徴づけるハンモック状斜交層理の波長の時間的変化について、過去6億年間での特徴を検討した。これまでの研究ならびに今年度の研究で新たに得られたデータから、ハンモック状斜交層理の波長の大きさはストームに規模を反映していると考えられる。今年度新しく得られたデータ、ならびに文献からの引用に基づいてハンモック状斜交層理の波長の時代的変化を検討した。その結果、白亜紀中期とデボン紀後期の大きなピークが認められ、ジュラ紀前期とオルドビス紀後期にもやや小さめながらピークが認められた。これら4つのピークで特徴づけられる時代は、これまでに復元されている地質時代の気温の変化と比較してみると、過去に何回かおとずれた温暖な時代のピークと必ずしも一致せず、むしろ多少早い時期、あるいは多少遅れた時期にストームのピークが認められる。このことは、地球環境が大きく温暖化してく過程、あるいは著しい温暖化の後に大規模なストームが発生しえる条件が達成されると解釈される。
また、今年度は、白亜紀前期の河川堆積物を対象に古河川水文学的特徴を検討した。この検討には、手取層群ならびに中国北東部に分布する前期白亜紀の内陸盆地で形成された地層が対象とされた。年平均流量については、およそ85〜150m^2/s程度の値が見積もられた。これらの値は、たとえば現在の手取川や九頭竜川の値と比較すると、ほぼ同程度かやや高い値となる。このことから、現在に比べ温暖だった時代の内陸盆地の方が、より湿潤で流量の大きな河川の発達を促していた可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 西川徹, 杉本英也, 伊藤慎: "古東京湾の堆積システムに記録された海水準変動とテクトニクス"第四紀研究. 40巻・3号. 275-282 (2001)

  • [文献書誌] 堀川恵司, 高野壮太郎, 伊藤 慎, 中野孝教: "上総層群の陸棚-深海堆積物に記録された氷河性海水準変動と古海洋変動"第四紀研究. 40巻・3号. 283-290 (2001)

  • [文献書誌] Makoto Ito: "Kuroshio-Current-influenced sandy contourites from the Plio-Pleistocene Kazusa forearc basin,Boso Peninsula,Japan"Gedogical Society of London,Memoir. 20号. 421-432 (2002)

  • [文献書誌] Takahiro Saito, Makoto Ito: "Deposition of sheet-like turbidite packets and migration of channel-overbanls systems on a sandy submarine fan:Anexample from"the Late Miocene-Early Pliocene forearc basin,Boso Peninsula Japan: Sedimentary Geology. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Makoto Ito, T.Saito, H.Someya: "Tectonic control of facies architecture in falling-stage deposits in a forearc basin:Upper Miocene Senhata Formation,Boso Peninsula,Japan"Journal of Sedimentary Research. vol.72・no.4(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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