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2002 年度 実績報告書

温室期と氷室期の比較地層学

研究課題

研究課題/領域番号 12640437
研究機関千葉大学

研究代表者

伊藤 慎  千葉大学, 理学部, 教授 (10201930)

キーワード温室期 / 氷室期 / ストーム堆積物 / ハンモック状斜交層理 / 地球温暖化
研究概要

今年度は、ストーム堆積物を特徴づけるハンモック状斜交層理の波長とストーム時の海底付近での振動流の軌道直径との関係を再検討し、ハンモック状斜交層理の波長が過去に発生したストームの規模を反映する尺度の1つとして有効であることを検討した。特に、これまでに報告されている実験結果ならびに現世陸棚における観測結果の整理と、地層記録の再検討を行った。その結果、当時の沖合方向に向かってハンモック状斜交層理の波長が短くなる傾向を示すことが明らかとなった。このような傾向は現世の陸棚で形成されたハンモック状ベッドフォームでも認められており、水槽実験ならびに現世の陸棚域で観察されるハンモック状ベッドフォームの波長(λ)と海底付近での振動流の軌道直径(do)との間にはλ【approximately equal】0.5-0.62doの関係が成り立つことが明らかにされている。さらに、1枚のストーム砂層に注目すると、一般にストーム砂層の形成はピーク時以降の暴浪の減衰にともなって行われることが最近あきらかとなってきているが、下部から上部に向かって波長の値が小さくなる傾向が広く認められる。このようなλの値の減少も振動流の軌道直径の減少に対応しているものと解釈される。一方、ストームの規模が大きいほどcoastal set-upの程度が増大し、その結果、より多量の堆積物が沿岸域から沖合へ運搬されていることが考えられる。その結果、ほぼ同一の陸棚上で形成されたストーム砂層を比較した場合、厚い砂層ほど当時の海岸線に対してより直交する沖向きに運搬されて形成されており、これと同時により大きなλの値をとることが明らかとなった。したがって、ハンモック状斜交層理の波長の大きさは過去のストームの規模を表す尺度の1つとして有効であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Saito, T., Ito, M.: "Deposition of sheet-like turbidite packets and migration of channel-overbank systems on a sandy submarine fan : an example from Late Miocene-Early Pliocene Forearc basin, Boso Peninsula, Japan"Sedimentary Geology. 149. 265-277 (2002)

  • [文献書誌] Ito, M., Saito, T., Someya, H.: "Tectonic control of facies architecture in falling-stage deposits in a forearc basin : Upper Miocene Senhata Formation, Boso Peninsula, Japan"Journal of Sedimentary Research. 72. 491-499 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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