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2002 年度 実績報告書

動的再結晶による地殻・マントルの異方性の発達

研究課題

研究課題/領域番号 12640438
研究機関東京大学

研究代表者

清水 以知子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40211966)

キーワード動的再結晶組織 / 結晶粒径分布 / 核形成-成長モデル / 石英 / オリビン / 結晶方位定向配列 / 高温高圧実験 / 固体圧変形試験機
研究概要

地殻およびマントル物質が塑性変形すると結晶内部辷りにより集合組織(結晶方位選択配向)が形成され、弾性波に対して異方性を示すようになることが知られている。動的再結晶によって、集合組織がどのように改変されるかを調べるために、理論的・数値的解析を行なうとともに、天然の変成・変形岩組織の定量解析を行なった。また、高温高圧実験による動的再結晶組織の再現に着手した。
(1)多結晶体の動的再結晶による結晶粒径分布の発展を、簡単な核形成-成長モデルをもちいた統計理論により解析し、平均粒径と粒径分布の核形成速度と粒成長速度(粒界移動速度)によって表されることを示した。天然の石英・オリビンの粒径分布の計測結果は、理論的に予測された分布パターンと調和的である。亜結晶粒子回転モデルによって、平均粒径の応力および温度依存性を求めた。無次元化して得られたユニバーサルな関係式は、既存の変形実験データをよく説明する。これらの成果は、次年度の材料科学系国際学会THERMEC'2003において発表される予定である。
(2)実際の地殻・マントル物質(石英、オリビンなど)をもちいて再結晶作用と結晶方位定向配列および、転位下部組織の関係を調べるために、高温高圧3軸変形試験に着手した。本年度は静岡大学理学部に既設の固体圧変形試験機MK65Sの圧力ゲージの改修と、制御系の改良にほとんどの時間を費やし、本格的な実験は今後に残されることとなったが、瑪瑙をもちいた予備実験において、天然の変成岩組織に類似した石英の再結晶組織を再現することに成功している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ikeda, S., Toriumi, M., Yoshida, H., Shimizu, I.: "Experimental study of the textural development of igneous rocks in the late stage of crystallization: the importance of interfacial energies under non-equilibrium conditions"Contrib. Mineral. Petrol.. 142. 397-415 (2002)

  • [文献書誌] 清水 以知子, 島田 耕史: "レーザー偏光顕微鏡の開発と計量岩石組織学への応用"地質雑. 108. 306-317 (2002)

  • [文献書誌] 澤口 隆, 清水 以知子: "走査型レーザー顕微鏡による岩石組織の可視化:反射像と透過像"地質雑. 108. XI-XII (2002)

  • [文献書誌] 清水 以知子, 大西 セリア智恵美, 松田 ニーロ茂彦, 田崎 和江, 荻原 茂騎, 遠藤 一佳, 松本 良: "走査型レーザー顕微鏡による岩石組織の可視化:蛍光像"地質雑. 108. XV-XVI (2002)

  • [文献書誌] Shimizu, I.: "Grain size evolution in dynamic recrystallization"Mater. Sci. Forum, Trans Tech Publ., Switzerland. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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