研究概要 |
本研究は3年目を終了し,おおむね計画どおりの成果をえた。本年度の具体的な成果の概要は,下記のとおりである。 西南日本とニュージーランドとの付加体形成と変成履歴の比較研究のため,野外調査と室内研究(薄片観察,ならびに炭質物のd_<002>値,白雲母のb_0値およびK-Ar年代の測定)を行った。また,成果の一部を学会で報告し,論文として学会誌に掲載した。 1.西村は九州・沖縄諸島の幾つかの付加体地域を調査し,有効な炭質物および再結晶白雲母試料を採集し,それらの炭質物のd_<002>値および白雲母のb_0値を測定し,再結晶白雲母のK-Ar年代試料を準備した。既存のニュージーランド北島の付加体試料について,上記の炭質物や白雲母の検討を行い,さらに白雲母のK-Ar年代測定試料を準備した。また,西村はニュージーランド北島の付加体の野外調査を実施し,有効な岩石試料を採集するとともに,オークランド大学のBlack教授およびオタゴ大学のLandis博士とそれぞれ研究打ち合わせを行った。 2.板谷は主として再結晶白雲母のK-Ar年代測定に従事したほか,四国の付加体地域を調査し,有効な炭質物および再結晶白雲母試料を採集した。 3.磯崎は九州地方などの付加体地域を調査し,有効な炭質物および再結晶白雲母試料を採集するとともに,炭素同位体比の測定を試みた。 4.これらの成果の多くは裏面の研究発表欄に記載したほか,幾つかの成果を学会で報告した。また,現在幾つかの成果を論文にまとめつつある。
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