フズリナ上科有孔虫類の分類体系の確立と画像データベースの構築

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12640459
• 研究機関: 福岡大学
• 研究代表者: 上野 勝美 福岡大学, 理学部, 助教授 (90241786)
• キーワード: フズリナ / 石炭紀 / ペルム紀 / 分類 / データベース / デジタルイメージ

研究概要

本年度は、日本国内でこれまで報告された分類群を中心にデータベースの構築を進めた。まず最初に、日本国内産の標本に基づいて提唱された分類群および日本人研究者が国外産の標本に基づいて提唱した分類群合わせて503種(亜種を含む)について、種名、リファレンス、標本登録番号、産地、産出層準と年代の各フィールドに関するデータの入力を行った。同時に、原著論文からタイプ標本の標本画像の取り込みを行い、このフィールド(標本画像)のデータを上記のデータベースに順次付け加える作業を進めている。また、正・副模式標本に直接アクセスできる場合には、標本から直接デジタル顕微鏡画像の取り込みを行い、標本画像のフィールドに加えるようにしている。初期入力の段階では、データフィールドの先頭にくる各分類群の種名は原著論文で用いられたものをそのまま使用しているが、それと同時にできるだけ現在の分類体系に即した分類名に修正する努力を続けている。
来年度は、中国および東南アジア地域で報告されたフズリナ上科有孔虫類データベースの作成を本格的に始める予定でいるが、今年度はそれに向けての基礎データの収集も行った。具体的には、中国南京地質古生物研究所において、日本国内では入手困難な、主に中国各地の研究所で出版されたフズリナ標本の画像をともなう文献の入手および同研究所に登録されている標本類の予察的検討を行った。また、雲南省地質科学研究所において同様な標本類の検討を行うとともに、同省の数地点において同産地模式標本の採集も行った。

研究成果

• [文献書誌] Ueno,K.: "Permian fusulinacean faunas of the Sibumasu and Baoshan blocks : Implications for the paleogeographic reconstruction of the Cimmerian continent"Geosciences Journal. v.4,Spet.Ed.. 160-163 (2000)
• [文献書誌] Sashida,K.,Igo,H.,Adachi,S.,Ueno.K,kajiwara,Y.,Nakomsri,N.and Smdsd,A.: "Late Permian to Middle Triassic radiolarian faunas from northern Thailand"Journal of Paleontology. v.74,no.5. 789-811 (2000)
• [文献書誌] Sugiynma,M.,Hisada,K.,Chorusiri,P.,Uene.K.,Charoatitiral.T.,Sashida,k.and Arai.S.: "Detrital chromian spinels from the Nam Maholan Formation, Loei area, northern Thailand"Amual Reperts of the Instifute of Geoseience, the university of Tsukuba. 26. 31-36 (2000)