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2001 年度 実績報告書

巻貝の異常巻き生成実験と成長解析-進化における発生的制約の役割-

研究課題

研究課題/領域番号 12640460
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

森田 利仁  千葉県立中央博物館, 自然歴史研究部・地学研究科, 研究員 (70200433)

キーワード巻貝 / サザエ / 異常巻き / 巻きシミュレーション / 迂回反応 / 足収縮筋の押し付け
研究概要

今年度の研究により以下の成果を得た。現在、論文作成中である。
1)サザエによる付着物実験
継続飼育していた付着実験用のサザエは、ほとんどの個体が、付着迂回からさらに半〜1巻きほど成長し、昨年度報告した以下のパターンがさらに強く一般的な傾向であることが確認された。
<殻表面の予定被覆部に付着させた障害物に対する、一般的な迂回反応>
1)付着物直前で下方(殻頂と反対側)に迂回開始、2)迂回終了後に上方回帰、3)ほぼ正常な縫合線付近まで復帰し、4)1巻き後に下方迂回開始時の螺管に到達し、再度下方迂回、5)そしてその後さらに上方回帰し、6)また正常縫合線付近に復帰する。
2)殻成長のシミュレーション用プログラムの開発
昨年より開発を継続していたシミューレーション用プログラム(C言語)がほぼ完成した。
シミュレーションの結果、以下のような機構で巻貝類が殻を成長させているときに、上述した迂回パターンを説明することができることが分かった。
<殻の成長機構>
結論)
1.巻貝類の殻の巻く方向は、足収縮筋が外套膜を押し付ける場所に主に依存して決定される。
2.殻内部の軟体部(内臓塊など)の成長(細胞増殖)パターンは、内在的(遺伝的)に決定されている部分は小さく、むしろ殻成長を補完しながら従属的に決定されている。
3.匍匐型の巻貝類では足が外套膜を常に強く押し付けているため、螺層の離れた緩い巻き成長(disjuncted coiling)は行えない。これは固着型巻貝でのみ実現可能である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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