研究概要 |
この研究は北海道の完新世の火山について、それぞれの噴火様式・噴火規模・噴火の推移・噴火年代を定量的に把握して、各火山の活動特性を明らかにすることを目的とした。 当初の目的に沿った研究は北海道駒ケ岳,ニセコ,大雪山,アトサヌプリ,摩周,羅臼岳及び国後島チャチャ岳を対象として行われ,それぞれの研究成果は報告書に収録した。そのほか研究報告の作成には至らなかったが羊蹄山についても一定の成果が得られた。 研究計画を立てた際には予期しなかった有珠山の2000年噴火が起こったため、有珠山については特に噴火事例の研究として噴火の観測・調査に従事した。その成果は学会誌に掲載すると共に国際会議で報告しており,報告書にも収録した。 火山活動特性評価の成果を社会に還元する手法の一つとして火山防災マップの作成がある。研究代表者は行政機関が企画した火山防災マップ作成の検討会には積極的に参画して研究成果を提供し,火山専門家として意見を述べてきたが,本研究期間中には恵山,アトサヌプリ及び雌阿寒岳及び有珠山(第2版)が刊行配布された。一方気象庁では噴火予知連絡会の下に活火山ワーキンググループを設置して活火山の定義の改定と火山活動度のランク付けを検討した。研究代表者はこのワーキンググループの座長として参画した。北海道の完新世火山の基礎情報として本研究の成果がこの検討作業に取り入れられた。検討結果は2003年1月に公表された。
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