研究概要 |
[1]分子シミュレーション計算手法とプログラムについては河村がすでに基本的なもの(MXDORTOとMXDTRICL、およびモンテカルロ法プログラム)を開発しており、本研究ではそれらを発展させた。発展内容は主として次のものである。相転移温度・圧力を挟んだいくつかの温度圧力条件での(NPT)アンサンブルでのMDおよびMCシミュレーションを行うので、圧力制御方法の依存性を調べることは不可欠である。従来の1)応力テンソルによる基本セル形状のスケーリング、2)パリネロとラーマンの方法による相転移挙動への手法の依存性を調べた。さらに弾性体の運動方程式を用いた圧力一定の分子動力学法の基本方式を確立した。 [2]分子シミュレーションの計算に必要不可欠な原子間相互作用モデルについては、H_2O,CaO,CaTiO3などを考え、それらの高温、高圧までの状態方程式を精密に再現するものを開発してきており、さらに精密化を行った。 [3]シミュレーション計算の初期構造として、完全結晶にあらかじめ点欠陥、転移、粒界などの原型を作成しておく必要がある。このための手法を策定し、それを実行するプログラムを開発した。その有効性を、モデルとしての欠陥構造等を作成し、小規模のシミュレーション計算を行い、その安定性・構造変化・欠陥エネルギーなどを評価することにより確認した。 [4]大規模計算を行うため、4CPUの分散並列コンピュータシステムを構築した。これに伴い並列分子シミュレーションプログラムを作成した。
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