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2000 年度 実績報告書

ビスマスイリドおよびビスマスイミドの特異性を活かした新しい単位反応の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 12640516
研究機関京都大学

研究代表者

俣野 善博  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40231592)

キーワードビスマスイミド / 安定型ビスマスイリド / マイケル付加 / イソシアナート / 脱水縮合 / オキサゾール環
研究概要

1.安定型ビスマスイリドの新しい合成法を開発し、その特異な構造および反応性について明らかにした。具体的には、窒素上にアシル基もしくはスルホニル基を有するビスマスイミドのアセチレンジカルボン酸エステルへのマイケル付加を利用して、高い安定型を持つビスマスイリドを合成した。得られた化合物のX線結晶構造解析を行なった結果、イリドの安定性が高度に共役したアルキリデン骨格に由来することが明らかとなった。さらに、高温ではイリドの熱分解が進行し、分子内環化によりオキサゾール環を形成することを見いだした。本反応ではビスムトニオ基の高い脱離性が反応の推進力となっており、15族の中におけるビスマスの特異性が顕著に認められる。
2.アルキニルビスムトニウム塩へのスルフィナートイオンのマイケル付加により、ビニリデン型ビスマスイリドが発生することを見いだした。興味深いことに、溶媒の種類をかえることでこのイリドの後続反応経路を制御することが可能であり、本反応がシクロペンテン環の構築あるいはビニルスルホンの合成法として利用できることを明らかにした。
3.ビスマスイミドの反応性を調べる目的でビスマスオキシドとアミドの縮合を検討した結果、本反応が効率良いイソシアナート合成法となり得ることを見いだした。すなわち、5価ビスマスが酸化剤として作用しており、現在合成法としての適用範囲を検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshihiro Matano: "First Synthesis of Alkynyltriphenylbismuthonium Salts and their Dual Reaction Modes in Sulfonylation"Chemical Communications. 2233-2234 (2000)

  • [文献書誌] Yoshihiro Matano: "Synthesis and First X-ray Structural Analysis of Monomeric Imino-λ^5-stibanes"Inorganic Chemistry. 39. 1340-1341 (2000)

  • [文献書誌] Yoshihiro Matano: "Synthesis, Structure, and Reactions of Triaryl (methyl) bismuthonium Salts"Organometallics. 19. 2258-2263 (2000)

  • [文献書誌] Yoshihiro Matano: "Stabilized Bismuthonium Ylides Bearing A Highly Cross-Conjugated Ylidic Carbon Atom : Synthesis, Structures, and Reactions"J.Organometallic Chemistry. 611. 89-99 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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