研究課題/領域番号 |
12640521
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
宇野 英満 愛媛大学, 機器分析センター, 助教授 (20168735)
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研究分担者 |
阪中 雅広 愛媛大学, 医学部, 教授 (60170601)
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キーワード | Espicufolin / K1115A / 分子内マイケル付加反応 / 分子内縮合反応 / アントラキノン / アシルナフトキノン / 分子内アシル転位反応 / SS43405E |
研究概要 |
近年、アントラキノン骨格を有する化合物には、神経保護作用のあるEspicufolin、網内系活性化物質SS43405E転写活性化蛋白I阻害活性を持つK1115A、及び抗腫瘍活性を有するKapurimycin A3など興味ある物性を示す化合物が数多く見つかっている。このEspicufolinとその類縁体、及びK1115Aとその類縁体の脳神経細胞に対するin vivoでの活性を検討し、作用機作を明らかにするとともに、より生理活性の高い物質の創出を目指した。 今年度の研究により、Espicufolin、SS43405E及びK1115Aの合成を完成し、合成したラセミ体及びS体のEspicufolinについてマウス胎児脳細胞による活性試験を行った。Espicufolinには用いた神経細胞に対して保護効果はなく、弱い神経細胞毒性が見られた。先の報告ではマウス神経ハイブリドーマをアッセイ系に用いており、この違いが現れたものと考えられる。つまり、実際の神経細胞を用いた我々の結果から、Espicufolinがヒトの神経細胞に対して保護効果を持つ可能性はきわめて少ないと判断し、これらの誘導体合成は中止した。網内系活性化物質SS43405Eについてはラセミ体の合成経路を確立した。現在、天然体の絶対構造決定を目指し、光学活性体の合成を行っている。
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