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2000 年度 実績報告書

抗生物質ノシヘプチドの全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 12640526
研究機関いわき明星大学

研究代表者

梅村 一之  いわき明星大学, 理工学部, 講師 (90221811)

キーワードノシヘプチド / 抗生物質 / チオストレプトン / グラム陽性菌
研究概要

ノシヘプチドは、Streptomyces actuosusが生産するグラム陽性菌に活性を示すチオストレプトン系抗生物質である。本申請研究ではノシヘプチド全合成を目的とし、全合成の鍵となるピリジン-チアゾール骨格からなる中心骨格(フラグメントA)について、Hantzsch法およびカップリング法の両面から効率的なピリジン-チアゾール骨格の合成方法を再検討した。さらにUHP(ハイドロパーオキサイドウレアコンプレックス)を用いたピリジンN-オキシドの合成方法を検討し、フラグメントAの新たな合成ルートの開拓を検討した。
先ず、ピリジン-チアゾールの合成に関しては、ニトリル基のチオアミドへの変換反応を検討した結果、ピリジン中氷冷下硫化水素を作用させる条件下、定量的にチオアミド体への変換が可能となりHantzsch法によるピリジン-チアゾール体合成法が確立できた。一方カップリング法による構築では、Pd-触媒を用いたホウ素誘導体とトリフレート誘導体とのカップリングを検討したところ、高収率でピリジン-チアゾール体が生成することを確認した。さらに、中心骨格の合成ルートに関しては、従来電子吸引性置換基を持つピリジンのm-CPBAによるN-オキシドへの変換が困難であるために、置換基の導入に際して限られた合成ルートを設定せざる得なかったが、今回新たにUHPを用いた酸化反応を検討したした結果、トリフレート基のような非常に強い電子吸引性置換基を持つピリジンのN-オキシド化に成功した。その結果、ピリジン骨格上の置換基に制約されることなく中心骨格の合成を進めることが可能となり、ノシヘプチドの中心骨格合成だけでなく、チオストレプトン系抗生物質全体の中心骨格合成に新たなルートを拓くことができた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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