最近、金ナノクラスターの自己集合によるマルチスケール超分子椙造体の構築方法が注目されており、アミノシロキサンやジチオールといつたクロスリンカーを用いる例、DNAおよびポリマーをテンプレートとする方法等がある。しかしながら、テンプレートを用いない金ナノクラスターのマルチスケール自己集合体の形成に関する研究例は皆無である。そこで我々は、フェノチアジン連結オリゴエチレンオキシチオール単分子膜を保護基とする金ナノクラスターを合成し、カチオン認識による金ナノクラスターの自己集合を試みた。その結果、オリゴエチレンオキシチオール単分子膜修飾金ナノクラスターは、2-4nmの粒子が集合し、〜75nmの円形状の集合体を形成しており、非常に興味あることに、ナトリムイオンを添加すると、それらの粒子が集合しナノネットワークを形成する。従来、3-10nmの金属粒子をテンプレートを用いて集合・配列させる方法は知られているが、本研究において明らかにした、〜100nmの円形状の金属ナノ粒子集合体をテンプレートを用いることなくナノネットワークを形成させたのは初めての例である。
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