• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

ケイ素を配位原子とする新しいキレート配位子を持つ遷移金属錯体の合成と性質

研究課題

研究課題/領域番号 12640533
研究機関東北大学

研究代表者

飛田 博実  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30180160)

キーワードキレート配位子 / シリル錯体 / シリレン錯体 / 鉄錯体 / ルテニウム錯体 / オスミウム錯体 / キレート効果 / メタラサイクル
研究概要

既に報告しているキレート型ジシリル配位子xantsil[(9,9-dimethylxanthene-4,5-diyl)bis(dimethylsilyl)]を含む新しい金属錯体として,(xantsil)M(CO)_4(M=Fe,Os)および(xantsil)Ru_3(CO)_<10>(H)_2を合成し,構造を明らかにした。前者の鉄およびオスミウムの単核錯体は,ルテニウム類縁体と異なり,トルエン中で還流してもη^6-トルエン錯体(xantsil)M(CO)(η^6-C_7H_8)には変化しなかった。後者の三核錯体では,xantsil配位子は二つのルテニウムを架橋していることがわかった。またη^6-トルエン錯体とHSiMe_2SiMe_2ORとの反応で合成したビス(シリレン)錯体(xantsil)Ru(CO)(H)(SiMe_2…OR…SiMe_2)では,xantsil配位子が2つのケイ素だけでなく酸素でも金属に配位し,三座配位子として働いていることを明らかにした。
ケイ素を配位原子とする新しいキレートを含む鉄錯体として,Si-O-C-O-SiおよびSi-N-C-O-Siという鎖(置換基は省略,以下同様)の両端で配位した6員環錯体,Si-O-C-N,Si-N-C-P,Si-O-C-SおよびSi-O-C-Teという鎖の両端で配位した5員環錯体,さらにSi-PおよびSi-Sが配位した3員環錯体を合成した。これらの合成には,光によるカルボニル配位子の解離によって誘起される転位反応,Si-H結合の酸化的付加反応,3員環キレート錯体に対するケトンの挿入反応等を利用した。生成したどの錯体においても,キレート効果に基づく錯体の安定性の増加が見られた。また結晶構造解析およびNMRスペクトルの結果から,これらの錯体中の金属-ケイ素結合は多少とも不飽和結合性を帯び,錯体はシリレン錯体としての性質を持つことがわかった。このことは,その反応性によっても裏付けられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 飛田博実: "Synthesis and Structures of Bis (silylene) iron Complexes Containing New Six-Membered Chelate Rings"J.Organomet.Chem.. 611・1-2. 314-322 (2000)

  • [文献書誌] 飛田博実,荻野博: "「大学院錯体化学」第6章6.1「有機金属化学」(p232〜261)"講談社サイエンティフィク. 30 (2000)

  • [文献書誌] 荻野博,飛田博実,岡崎雅明: "基本無機化学"東京化学同人. 356 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi