研究概要 |
1.加水分解活性なCu(II)TACH錯体,Zn(II)TACH錯体(TACH=cis, cis-1,3,5-triaminocyclohexane)を合成し、X線構造解析により歪んだ5配位構造を取ることを確認した。 2.Cu(II)TACHによるdipeptide(GlyGly, GlyLeu, LeyGly, GlySer)の加水分解速度をpH7-10、70℃で測定し、反応機構を推定した。また、Cu(II)TACHおよびCu(II)TACH-dipeptide系のspeciation studyを行い、反応中間体を推定した。 3.Zn(II)Cl_2,ZnHEN(HEN=N-(2-hydroxyethyl)ethylenediamine),ZnCD-AMP(CD=B-cyclodextrin, AMP=2-aminomethylpyridine)による各種dipeptideの加水分解を追跡し、分解促進効果を考察した。 4.各種peptide(GlyGly, SerGly, GlySer, LeuGly, GlyLeu, SerMet, AlaSer, LeuSer, ValSer, GlyThr, AlaThr、GlyGlyGly)のpH1-12、70℃に於ける加水分解速度、環化平衡定数と速度、異性化変換平衡定数と速度を基礎データとして求めた。 5.TACHの誘導体TACH-X(X=H, Me, Et,2Et,3Et)を合成した。Cu(II)TACH-XによるpBR322DNAの切断速度をpH7-9.5、35℃で測定し、反応機構、置換基効果を考察した。 6.Cu(II)TACHによる各種環状DNA(pHSG398,pUC19,pBR322,φX174,ColE1)の切断速度を測定し、DNA鎖長との関係式を導いた。また、DNAの切断塩基を特定する新しい方法(酵素法)を確立した。その方法を用いてCu(II)TACHの切断塩基配列特異性を検討した。
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