研究概要 |
ペンタメチルシクロペンタジエニル基を持つロジウムおよびイリジウム錯体,[Cp^*MCl2]2(M=Rh,Ir)と1,4-ジイソシアノベンゼンとの反応は2核錯体,[Cp^*MCl_2]_2(CNC_6R_4NC)1を与えた。1をAg(CF_3SO_3)で処理すると塩素架橋した4核錯体,[{Cp_2M_2Cl(μ-Cl)}_2(CNC_6R_4NC)_2](CF_3SO_3)_42を与えた。同じような2核錯体,[Cp^*MCl_2]_2(μ-pyrazine)3および4核錯体,[{Cp_2M_2Cl(μ-Cl)}_2(pyrazine)_2](CF_3SO_3)_44はpyrazineとの反応においてもえられた。1b(M=Ir,R=Me)や3a(M=Rh,R=Me)のX-線構造解析によりそれらの構造は確認された。2b(M=Ir)にpyrazineを反応させると塩素架橋が開裂して,新しい4核錯体,[{Cp_2Ir_2Cl}_2(pyrazine)_2(CNC_6R_4NC)_2](CF_3SO_3)_45b(R=Me)が得られた。錯体のIr....Irの距離は縦,約7Å,横,約11Åの長方形で,イソシアニドのベンゼン環およびpyrazin環は4個のIrを含む面に対してほぼ直角になつている。同じ錯体は1bとpyrazineをAg(CF_3SO_3)存在下に反応させることにより直接合成することができる。
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