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2000 年度 実績報告書

両親媒性分子吸着膜によるコロイド粒子の分散安定性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 12640562
研究機関東京都立大学

研究代表者

深田 和宏  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60212180)

キーワード界面活性剤 / 吸着 / リン脂質 / ゼータ電位 / ベシクル / ポリスチレンラテックス
研究概要

本研究課題では,両親媒性分子をコロイド粒子表面に吸着させた際の分散安定性がどの様に変化するかを検討し,粒子の分散性を制御するための諸因子を明らかにする事を目指した。本年度は以下の知見を得た。
1)負電荷を表面に有するポリスチレンラテックス粒子(粒径0.1〜6μm)にカチオン界面活性剤を吸着させた際の粒子表面の電位の変化を電機泳動光散乱装置を用いて測定し,分散安定性との関係を調べた。その結果,表面電荷が丁度打ち消し合う(表面電位がゼロになる)場合よりも,わずかに負電荷が残っている時の方が粒子間の凝集が速やかに起こることを見出した。これは,吸着した界面活性剤の疎水基間に何らかの引力的な相互作用が働いているためと解釈される。また,吸着量の測定をしたところ,カチオン界面活性剤は極めて低濃度(数μM)から粒子表面に吸着するが,吸着した活性剤の殆どは表面電位に影響を与えていないことが示唆された。
2)粒子の分散安定性には吸着した両親媒性分子の電荷、溶媒和、吸着層の力学特性が重要な役割を果たすので,両親媒性分子薄膜の物性や薄膜間に作用する力の性質をよく理解する必要がある。そこで,リン脂質分子が水中で形成する2分子膜を吸着膜のモデル系として取り上げ,膜の力学特性(柔らかさ)を評価するための実験系の確立を目指した。そして,交流電場中でリン脂質を膨潤させることにより光学顕微鏡で観察することが出来る巨大1枚膜ベシクル(直径数十μm)を調製することに成功した。このベシクルをマイクロピッペットで吸引して変形させ,変形量と吸引圧との関係から膜の固さを評価するための装置を作成した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazuhiro Fukada: "Coagulation of negatively charged microspheres dispersed in cationic surfactant solution."Studies in Surface Science and Catalysis. 132. 407-410 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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