研究課題/領域番号 |
12640565
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40089371)
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研究分担者 |
酒井 秀樹 東京理科大学, 理工学部, 講師 (80277285)
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キーワード | エマルション / 粒子成長 / アルカン / アルキルベンゼン / アルキルエーテル / 分散安定性 / ポリスチレン / 超音波 |
研究概要 |
本研究では、これまで乳化処理では必須と考えられてきた界面活性剤などの両親媒性物質を用いずに、疎水性の高い油性物質(炭化水素系油類、油脂類)を数ヶ月から一年に及ぶ長期にわたり分散安定化させる技術を確立することを目的として検討を行った。界面活性剤にかわる分散保護材料として、他の油性物質との混合及び疎水性高分子の添加に重点を置き、超音波処理による分散の最適化・高次制御を図った。まず、元来不安定なベンゼンの油滴に、種々の鎖長のアルカン(アルキル鎖長8〜20)を加えた混合油滴の分散安定性を評価したところ、アルキル鎖長が14を越えるアルカンを混合した場合に油滴の安定性が著しく向上することを見出した。また、ベンゼン油滴にアルキルベンゼンやアルキルエーテルを加えた場合にも、これらの第2の疎水性物質のアルキル鎖長の増加とともに、油滴の分散安定性は顕著に向上した。これらの第2の疎水性物質を混合しても、水との間の界面張力は必ずしも減少するわけではないことから、本系でのエマルションの安定化機構は、従来の界面活性剤を用いた系の分散安定化とは本質的に異なることが見出された。さらに、このサーファクタントフリーエマルションをリサイクル性に富む反応場として実際に用いて高分子の分散重合に適用し、新しい合成制御の技術を開拓したところ、粒子径数十ナノメートルの比較的単分散なポリスチレン粒子を得ることができた。また、超音波処理を行いながら重合を進行させると、表面に多数の空孔を有するポリスチレン粒子(ディンプルポリマー)も得られることが分かった。
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