研究課題/領域番号 |
12640578
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 幸夫 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (40186367)
|
研究分担者 |
火原 彰秀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30312995)
北森 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60214821)
|
キーワード | マイクロチャネル / 形状効果 / 混合 / 抽出 / 顕微分光 / 流れプロファイル |
研究概要 |
本年度は、ジグザグ状チャンネル壁を有するマイクロチャンネルの特徴を明らかにすることを目指して、1.チャンネル壁形状が、通常の直線型、対称および非対称型のジグザグチャネルを作製した(深さ20μm幅100μm)、2.有限要素法を用いたコンピューターシュミレーションにより、チャンネル内の流れプロファイルを明らかにした、3.色素水溶液を用いた2液混合実験を行い、チャンネル内の濃度プロファイルより混合過程を明らかにした、4.Alキレート化合物の液液抽出実験を行い、in situ分析、およびアウトプット分析を行い抽出過程を明らかにすると共に、実際の効率を決定した。 これらの結果から、マイクロチャネル内ではチャンネル壁形状にかかわらず2層流を形成すること、油水界面はマイクロチャンネルの中央に位置すること、2層流の流線は互いに交わらず下流ドレインで分離できることを確認した。チャンネル壁形状を反映して、直線型および対称ジグザグチャンネルでは界面は直線状となるのに対して、非対称ジグザグチャンネルではジグザグ状の油水界面が形成された。実際の混合・抽出は非対称ジグザグ>直線型>対称ジグザグチャンネルの順に、より効率よく起こることが、顕微分光測定によるチャンネル内濃度プロファイルおよび、ガスクロマトグラフィーによるアウトプット分析より確認できた。この結果は、定性的には界面が直線状からジグザグ状になることで距離(接触面積)が増加することにより説明できるが、さらに界面近傍を詳細に調べることによる定量的な検討が必要である。
|