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2000 年度 実績報告書

逆ミセル界面での物質移動における金属錯体の解離過程とその分析化学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 12640591
研究機関広島大学

研究代表者

藤原 照文  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80127703)

研究分担者 岡本 泰明  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40213988)
キーワード逆ミセル / 解離反応 / 金属錯体 / ソルバトクロミズム / 可視吸収スペクトル / ストップトフロー分光光度計 / 界面反応場 / 物質移動
研究概要

逆ミセル界面での物質移動として、そのミセル内水相に特定の金属錯体が取り込まれる過程を取り上げ,その過程で起こる金属錯体の解離に対する特異な逆ミセル効果の要因を解明することを目的として,以下の3点について研究を行った。
1.逆ミセル系での金属錯体のソルバトクロミズムとミセル界面への吸着過程:無電荷のポルフィリン-亜鉛(II)錯体を逆ミセルと共存させると,その可視吸収スペクトルが大きく変化することを見いだした。この現象は錯体が逆ミセル界面へ吸着することに帰因すると推測し,そのソルバトクロミズムを観測して,その吸着過程での特異な相互作用を解明した。
2.逆ミセル界面での金属錯体の解離反応に対する酸触媒過程の解析:逆ミセル界面に吸着した上記のポルフィリン錯体は,その内水相中の酸によって解離することを見いだした。このときの可視吸収スペクトルの急速な経時変化をストップトフロー分光光度計を用いて,種々の酸について解析し,この解離反応に対する酸触媒の機構を明らかにした。また,その反応に影響を及ぼす因子について調べ,分子動力学シミュレーション法によって導き出されている逆ミセル界面の構造的特異性やその界面への陰イオンの親和性と関連づけた。
3.逆ミセルのバルク有機相に分散させた金属錯体の界面反応場での解離反応の解析:無電荷のバナジルーアセチルアセトン錯体は逆ミセルのバルク有機相側に分散すると予測されるが,その内水相中の塩基によって容易に解離することを見いだした。この反応は逆ミセル界面で起こっていると推測され,このときの可視吸収スペクトルの経時変化をフォトダイオードアレイ分光光度計を用いて測定し,その解離反応を速度論的に解析した。得られた結果より,特に界面の極性基への陰イオンの親和性が,その界面反応場での解離反応においては重要な因子となることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Terufumi Fujiwara: "Solvent Extraction Coupled On-Line to a Reversed Micellar Mediated Chemiluminescence Detection System for Trace-Level Determination of Atropine"Analytical Chemistry. 72. 1715-1719 (2000)

  • [文献書誌] Terufumi Fujiwara: "Chemiluminescence Determination of Iodide and/or Iodine Using a Luminol-Hexadecyltrimethyl-ammonium Chloride Reversed Micelle System Following On-Line Oxidation and Extraction"The Analyst. 125. 759-763 (2000)

  • [文献書誌] Yasuaki Okamoto: "High Preconcentration of Ultra-Trace Metal Ions by Liquid-Liquid Extraction Using Water/Oil/Water Emulsions As Liquid Surfactant Membranes"Microchemical Journal. 65. 341-346 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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