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2000 年度 実績報告書

近縁種の多様性の保全に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12640605
研究機関東北大学

研究代表者

武田 哲  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50171640)

キーワード生物多様性の保全 / 生殖前隔離 / 配偶システム / 配偶行動 / 性淘汰 / 体色 / オキナワハクセンシオマネキ / ミナミコメツキガニ
研究概要

繁殖期に体色が白化するオキナワハクセンシオマネキ(Uca lactea perplexa)の体色変化と雄の求愛行動との関係を野外で解析した.146個体の雌の体色を,白(37個体),赤(34個体),青(33個体),黒(39個体)に変え,変える前の雌に対する雄の行動と比較した.無操作の雌では1個体(0.7%)が威嚇され,3個体(2.1%)が雄に追い払われた.体色を変えた後,威嚇あるいは追い払われた個体は,白色で1個体(2.7%)と4個体(10.8%),赤色で7個体(20.6%)と10個体(29.4%),青色で9個体(27.3%)と8個体(24.2%),黒色で15個体(38.5%)と9個体(23.1%)となった.これらの結果から,本種では雌の体色が雄の求愛行動に直接影響すること,換言すれば体色がシグナルとして機能していることが強く示唆された.
ミナミコメツキガニ(Mictyrisbrevidactylus)の配偶行動を観察するための基礎的なデータを2001年11月16日から12月16日まで収集した.この期間,抱卵雌の比率は徐々に増加し,およそ60%に達したので,繁殖期と思われた.この時,地表に出て活動するのは主に大きな雄であった.雌は地表にトンネルを作りながら,摂餌をしているものと考えられた.また,地表に現れた個体は,非繁殖期には水際に移動して集団で摂餌をするのに対して,繁殖期にはトンネル摂餌が行われている場所で個々に摂餌をしていた.さらに,非繁殖期には摂餌後水際の少し上に小さな空気室を作って潜り込むのに対して,繁殖期にはトンネル摂餌の巣穴などに潜り込み,社会行動も見せた.このような非繁殖期とは異なる行動が彼らの配偶システムと密接に関わっており,配偶行動は地下で行われると推定された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.TAKEDA: "Premating isolation by body color in the fiddler crab."Animal Behaviour.

  • [文献書誌] S.TAKEDA: "Mating system of the soldier crab, Miotyris brevidactylus."Journal of Crustacean Biology.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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