研究課題/領域番号 |
12640629
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高宮 建一郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80037259)
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研究分担者 |
島田 裕士 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80301175)
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キーワード | バクテリオクロロフィル / 亜鉛バクテリオクロロフィル / 好酸性光合成細菌 / クロロフィル生合成 / 好気性光合成細菌 / マグネシウムキラターゼ |
研究概要 |
好気性好酸性光合成細菌は亜鉛-バクテリオクロロフィル(Zn-Bchl)を主なクロロフィルとして含む。本研究はZn-Bchlの生合成経路、特に(1)マグネシウムイオンの配位および離脱と(2)亜鉛イオンの配位の機構、を解明することを目的とする。 (1)マグネシウムイオンの配位および離脱 これまでの研究により、マグネシウムイオンはこの細菌のマグネシウムキラターゼによって、Protoporphyrin IX(Proto IX)に酵素反応的に配位されることが明らかにされている。本研究では、その後どの段階でマグネシウムイオンが脱離されるかを調べるために、HPLCでクロロフィル中間体の同定を行ったところ、多量のProtoporphyrin IX monomethyl ester(Proto IX ME)が細胞中に蓄積していた。それ以後の中間体はほとんど検出されなかったことから、Mg-Proto IX-MEの段階でマグネシウムイオンが脱離することが示唆された。 (2)亜鉛イオンの配位の機構 この菌では亜鉛を含む中間体の量が極端に少ないため、亜鉛を含む中間体を現有のHPLCで同定するこが出来ず、従って、亜鉛イオンがその後のどの段階で配位されるのかは明らかにすることは出来なかった。このことに関しては、菌体をさらに大量に使って分析するか、亜鉛の放射性同位体を使ったオートラジオクロマトを行う必要があろう。 他方、この菌に抗生物質耐性遺伝子を挿入した遺伝子破壊株を作製し、その中から、亜鉛を含む中間体を多量に蓄積する変異体を得ることを試みた。これまでのところ、安定的に遺伝子破壊株を得る最適の条件(使用するプラスミドの種類、接合あるいはエレクトロポレーションの条件など)を検討中である。
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