1.精核輸送を担うミオシンの単離と同定 昨年度の研究結果から、ユリ花粉管内の精核輸送を担うモータータンパク質はミオシンであることが示唆された。ニワトリ胸筋から調製したF-アクチンを用いた共沈法や様々なカラム操作によって、ユリ花粉管の粗抽出分画からF-アクチンを滑走させる画分を得た。この画分中には、原形質流動に関与している170-kDaミオシン重鎖に対する抗体と反応する成分は存在していなかった。従って、170-kDaミオシンあるいはその分解産物による運動活性ではなく、新規ミオシンによる活性であることが明らかになった。そして、この画分中には必ずF-アクチンと結合する120-kDa成分が含まれていることから、この成分が新規ミオシン重鎖であると考えられた。 2.精核輸送における微小管系関与の検討 発芽した花粉を微小管の脱重合剤であるプロピザマイドで処理することによって、精核輸送速度は約20%減少した。おもしろいことにアクチン繊維の脱重合剤であるサイトカラシンDで処理した花粉管内における精核は、その輸送が完全に阻害されるわけではなく約20%の速度で輸送された。そして、この遅い輸送はプロピザマイドとの同時処理によって顕著に阻害された。従って、微小管系もある程度精核輸送に関与している可能性が示唆された。
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