研究課題/領域番号 |
12640679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 千葉大学 (2001) 金沢大学 (2000) |
研究代表者 |
綿野 泰行 千葉大学, 理学部, 助教授 (70192820)
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研究分担者 |
谷 尚樹 独立行政法人・森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 技官(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | Pinus / introgressive hybridization / hybrid zone / chloroplast DNA / mitochondtial DNA / nuclear DNA / molecular hybrid index / microsatellite |
研究概要 |
高山帯に生育するハイマツと、山地帯から亜高山帯に生育するキタゴヨウは、特に東北地方の山系において交雑帯を形成している。マツ科植物では、葉緑体DNA(cpDNA)は父性遺伝、ミトコンドリアDNA(mtDNA)は母性遺伝という特殊な細胞質ゲノムの遺伝様式を持つ。今までの研究により、cpDNAはキタゴヨウからハイマツヘ、そしてmtDNAはハイマツからキタゴヨウへと、逆の一方向性の遺伝子浸透を起こしていることが明らかとなっている。本研究では、cpDNAとmtDNAに加えて、核の遺伝子マーカーをも開発し、遺伝様式の異なる3種類全てのゲノムの遺伝子浸透のパターンを解析することを試みた。テーダマツのESTPプライマーを用いてPCRSSCP法でハイマツとキタゴヨウでの利用可能性のスクリーニングを行い、最終的にハイマツとキタゴヨウで種特異的な対立遺伝子を持つ10個のマーカー遺伝子座を得た。そのうち8遺伝子座を用いて、東吾妻山と谷川山系の2つの交雑帯について、個体ごとの遺伝子型を決定し、分子交雑指数の推定を行った。この指数は、8遺伝子座で16遺伝子のうちハイマツ由来の遺伝子の割合を示す。東吾妻山では、標高1800-1900mの亜高山帯針葉樹林帯を境に交雑指数が、下部では0.073、上部では0.949と二極化しており、亜高山帯が核遺伝子の流動の障壁になっていることが明らかとなった。一方、亜高山帯針葉樹林帯を欠く谷川では、標高に応じた連続的な交雑指数の変化が観察された。 種特異的核マーカーに加え、交雑帯での遺伝子流動を直接的に観察する目的で、マイクロサテライトマーカーの開発も行った。磁性ビーズを用いたマイクロサテライト濃縮法を採用し、濃縮率の改良を試みた。得られたライブラリーのうち300弱のシーケンスを読み、ユニークかつマイクロサテライトを含んだクローンを86個得た。
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