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2001 年度 実績報告書

南極陸上植物相の多様性と進化

研究課題

研究課題/領域番号 12640691
研究機関国立極地研究所

研究代表者

伊村 智  国立極地研究所, 研究系, 助手 (90221788)

研究分担者 神田 啓史  国立極地研究所, 資料系, 教授 (70099935)
キーワード湖沼 / コケ植物 / 南極 / 分子系統 / DNA / 無性芽 / 繁殖生態 / 耐乾性
研究概要

研究代表者自らが夏隊員として参加した、第42次日本南極地域観測隊夏隊(2000年11月〜2001年3月)によって持ち帰られた南極昭和基地周辺からの陸生、湖沼底生コケ植物サンプルの解析を中心に行った。
この地域の湖沼には、水深2〜3m前後の湖沼底に「コケ坊主(Benthic moss pillar)」と呼ばれる特異なコケ植物群落が繁茂していることが第36次南極地域観測隊で発見されている。コケ群落は2種からなり、そのうちのBryum sp.はこの地域の淡水湖沼に広く、高頻度に分布することが明らかになった。本種は南極陸上植生の優占種として知られるB. pseudotriquetrumの水中型と考えられている。一方のLeptobryum sp.は、スカルブスネスと呼ばれる露岩地域を中心に狭い範囲に分布し、より塩分濃度の高い湖沼を好んで分布することがわかった。本種はこの地域の陸王植生からは報告されておらず、南極地域全体をみても、他に同じく湖沼底から1カ所、火山噴気孔近くから1カ所と、分布がきわめて限定されている。
両種についての予備的なDNA解析の結果、水生のBryumは陸上のB.pseudotriquetrumと同種であり、調査地域内ではほぼ均質であること、一方のLeptobryumはこの地域内で遺伝的に多様であり、異なる地域に分布の起源を持つことが想定された。
また、湖沼底からの堆積物コアを分析し、内部のコケ植物の分類、および堆積年代の測定を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ueno, T., Imura, S., Kanda, H.: "Colony form and shoot morphology of Sanionia uncinata (Hedw.) Loeske growing in different water conditions in the high arctic, Spitsbergen, Svalbard"Bryological Research. 8. 1-6 (2001)

  • [文献書誌] 鮎川恵理, 伊村智, 神田啓史: "南極ラングホブデ雪鳥沢における蘚類の繁殖体バンク"南極資料. 45. 320-328 (2001)

  • [文献書誌] 瀬戸浩二, 伊村智, 板東忠司, 神田啓史: "南極湖沼に記録された完新世の古環境"月刊地球. 24. 31-36 (2001)

  • [文献書誌] 伊村智, 神田啓史: "南極湖沼底の水生蘚類群落"蘚苔類研究. 8. 69-73 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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