研究課題/領域番号 |
12650005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬場 基芳 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (60159077)
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研究分担者 |
吉田 正裕 東京大学, 物性研究所, 助手 (30292759)
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40251491)
森田 眞 成蹊大学, 工学部, 教授 (70054351)
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キーワード | ナノ構造 / 青色蛍光体 / 紫外サブピコ秒パルス / 超高速分光 |
研究概要 |
SiCにおける折り返しフォノンモードやゾルゲルガラスに担持された遷移金属/希土類イオンからのナノ構造発光、GaAsの発光メカニズムなどナノ構造青色蛍光体の時間分解特性評価をおこなうために最初に波長300nm程度の紫外域サブピコ秒パルス光源の開発をおこなった。そのために非線型結晶(BBO)を用いて可視域色素レーザーの2倍高調波を発生させた。通常の同期励起レーザー光の出力ではその尖頭値出力がkW程度と弱く励起光源として用いることはできなかった。そこで色素レーザーキャビティに既存のキャビティダンパーを組み込んでパルス尖頭値を10倍以上高めることによってこの困難を解決した。高効率測定のために長いBBO結晶(10mm)を購入し、周辺光学系の整備によってmW程度の高出力が得られた。またキャビティダンパーを組み込んだことによって繰り返し周波数が可変になり、ピコ秒からミリ秒と広い時間範囲での高感度測定が原理的に可能になった。 1.これまでセラミックス中の2次元閉じこめ系に注目した例はほとんどないので、有機金属化学合成方法でセラミックスおよびガラスにZnCdS:Mnナノ結晶を分散させることにより、クラスターを均一に生成させた試料を作成した。CdSは薄膜中に6nmのサイズで分散していて、Mn-Mnイオン対が生成していることが推測される。サイト選択分光により、表面発光あるいはダングリングボンドの形成による10ナノ秒程度の超高速発光寿命を得た。 2.SiCの3つのポリタイプについてラマンスペクトルを測定したところ、紫外域において折り返しモードが選択的に共鳴することを見いだした。結合偏光モデルで説明した。 3.GaAsに窒素ドープした蛍光体を300nm帯のサブピコ秒パルス励起した場合、窒素ドープ量と発光の長波長側で徐々に長寿命化することを見いだした。
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